消化器病センター

運営方針・運営体制

消化器肝臓疾患領域でも、医学の進歩、専門分野の細分化が進んでいます。しかしながら、内視鏡的処置の進歩や腹腔鏡下手術、肝臓癌治療の進歩により、内科・外科の境界がなくなり、幅広い視野のもと、診療にあたらなくてはならない状況が増えてきました。従来の内科、外科などの診療科の垣根を超え最良の診療を提供するために、消化器病センターを開設し、1人の患者さんに対して、内科・外科双方の視点で検討することで、よりベストな治療方針を決定していくことが出来ます。当院では大学病院９Fに、肝胆膵・移植外科、消化管外科、消化器内科が集約しています。こうした背景から消化器内科医と消化器外科医が同じ病棟で消化器疾患を共観することでそれぞれの強みが発揮されることになります。

三重大学附属病院内の消化器疾患を有する患者さんへの診療のみならず、三重県内の関係施設とも連携して、診療・研究・教育を行います。上部消化管部門、下部消化管・IBD部門、肝臓部門、胆膵部門からなり、肝胆膵・移植外科、消化管・小児外科、消化器・肝臓内科の三つの講座から、それぞれのエキスパートを部門長として運営を行います。

業務内容

• 上部消化管疾患：　食道がん、胃食道逆流症（GERD）、バレット食道、食道アカラシア、慢性胃炎、急性胃炎、胃がん、胃腫瘍、胃十二指腸潰瘍、十二指腸腫瘍（良性、悪性）、機能性ディスペプシア、消化管原発悪性リンパ腫など
• 下部消化管疾患：　大腸がん、大腸ポリープ・ポリポーシス、感染性腸炎、腸結核、虚血性腸炎、憩室出血、Collagenous Colitis、過敏性腸症候群（IBS）、炎症性腸疾患（潰瘍性大腸炎、クローン病）、腸管ベーチェット、単純性潰瘍、好酸球性消化器疾患、消化管間葉腫瘍（GIST）、消化管神経内分泌腫瘍、小腸癌、小腸腫瘍、小腸潰瘍など
• 肝臓疾患：　急性肝炎、急性肝不全（劇症肝炎）、B型慢性肝炎、C型慢性肝炎、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎（NASH）、アルコール性肝障害、自己免疫性肝疾患（AIH、PBC PSC、IgG4関連）、肝血管腫（カサバッハ・メリット症候群など）、肝硬変、食道・胃静脈瘤、門脈圧亢進疾患、肝不全、肝がん（肝細胞癌）、肝内胆管癌、肝移植後のフォローアップなど
• 胆膵疾患：　膵がん、嚢胞性腫瘍(IPMN、MCN、SPN、SCNなど)、膵神経内分泌腫瘍、胆道がん（肝門部領域、胆嚢、遠位、十二指腸乳頭部）、術後胆管狭窄・胆管炎、術後膵管狭窄・膵炎、胆石、総胆管結石、急性膵炎、慢性膵炎、膵石症、自己免疫性膵炎、急性閉塞性化膿性胆管炎、原発性硬化性胆管炎、IgG4関連硬化性胆管炎、先天性胆道拡張症、膵管胆道合流異常、膵形成不全や膵管非癒合などの先天性形態異常など
• 自己の教育能力を高め、教育研修病院として将来の地域医療を担う人材の育成
• 新たな最新手技、機器の導入
• 市民、住民への啓発活動
• 地域基幹病院との連携、地域ネットワークの構築

• 拡大内視鏡や画像強調観察（NBI、BLI、LCI、TXI）、超音波内視鏡、内視鏡的粘膜切除術（EMR）、内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）、アルゴンプラズマ凝固法、シングルおよびダブルバルーン小腸内視鏡検査、小腸用および大腸カプセル内視鏡検査、ERCP、EUS-FNA
• 食道（胃）静脈瘤に対する内視鏡治療（EIS、EVL）、食道内圧測定
• 高難度肝胆膵外科手術、低侵襲手術（腹腔鏡、ロボット支援）、腹腔鏡・内視鏡合同手術（LECS、Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery)
• IBD外科治療（腹腔鏡、吻合方法、狭窄形成術など）
• 造影超音波、超音波エラストグラフィ、MRエラストグラフィ、肝生検（エコー下、腹腔鏡下）、肝動脈化学塞栓術、ラジオ波焼灼療法、次世代マイクロ波凝固療法、肝移植（生体部分肝移植、脳死肝移植）