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肝硬変の診断に必要な肝臓の線維化測定がMRIでできるようになりました

生検のように患者さんの痛みや入院による負担がありません。

三重大学病院では、肝臓の線維化を測定できるMRエラストグラフィを三重県内の医療機関で初めて導入しました。これにより、肝硬変の診断時に生検を行わず、線維化を正確に、そして何よりも患者さんの身体的・心理的負担を大きく軽減した上で診断できるようになりました。

肝臓は、線維化という状態が進むと、硬くなり、肝硬変、さらには肝臓がんや肝不全に進展する可能性があります。この線維化の状態を把握することは、病態の進行度合わせた治療、さらに将来的なリスクを見据えた治療を行う上でとても重要です。

線維化の測定には、主に生検(肝臓に針を刺し組織を採取)が採用されますが、痛みや入院など患者さんの負担があります。
MRエラストグラフィは、肝臓を振動させながらMRIを撮像するもので、その振動の状態から線維化を正確に評価できる検査です。入院もなく、身体への負担もごくわずかです。

また、本年4月から、MRエラストグラフィによる検査は、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の場合に保険適用となっています。

  • 当院でのMRエラストグラフィの検査は、消化器・肝臓内科の受診が必要です。
  • 初診の際は、かかりつけ医の紹介状をお持ちください。

消化器・肝臓内科の中川勇人科長のコメント:
「非アルコール性脂肪肝炎をはじめ、生活習慣病に伴う肝疾患の患者数は増加傾向にあります。また、慢性の肝疾患が進行し、肝硬変まで至ってしまうと元には戻りません。肝臓の線維化の正確な診断ができるようになると、より早期の段階から進行を阻止する治療につなげられるとともに、肝臓がんの発症リスクが高い患者さんを絞り込むことができます。三重県や近隣県の患者さんの肝硬変の診断や治療に、この最新検査技術が役に立てることを願っています」

MRエラストグラフィは、肝臓に微小な振動を与えるための器具を腹部に装着し、MRIで撮像します。振動による痛みはありません。

MRエラストグラフィで撮像した線維化が進んだ肝臓。
赤く見えている部分が、特に線維化が進んだところです。