当院の小児・AYAがんトータルケアセンターに「県医療的ケア児・者相談支援センター」が開設されました

本年4月1日(金)、当院の小児・AYAがんトータルケアセンターに、三重県の「県医療的ケア児・者相談支援センター」の本部が開設されました。

このセンターは、医療的ケアを必要とされる方々やそのご家族がワンストップで相談でき、適切な支援を迅速かつシームレスに受けられるよう三重県が設置したものです。
相談については、当院の小児・AYAがんトータルケアセンターの看護師をはじめとする医療的ケアの専門家が窓口となり、専門的に状況を把握した上で、助言を行ったり、自治体・医療機関・福祉施設・教育機関などと連携して必要な支援につなぎます。
また、医療的ケアに関わる課題の調査や関連分野での人材育成についても、県と当院が連携し進める予定です。

当院の調べでは、三重県には、在宅の医療的ケア児が令和2年時点で252人おり、その数はここ数年だけを見ても増加傾向にあります。また、医療的ケアを必要とする成人の全容が見えづらかったり、県内の相談窓口や支援情報が分散していたりするなど、これまではニーズと支援をつなぐ上での課題もありました。

当院の小児・AYAがんトータルケアセンター長の岩本彰太郎医師は、
「小児・AYAがんトータルケアセンターの役割の一つに、医療的ケアを必要とする子どもさんや、若いがん患者さんが安心して医療やサポートを受けられる体制を地域に作るというものがあります。今回の『県医療的ケア児・者相談支援センター』については、計画当初から参画をし、その在り方をご関係者の方々と一緒に議論してきました。治療と向き合あう子どもの成長をどう支えるべきか、患者さんのQOL(生活の質)をどう支援するのかなどの視点に立ち、同センターが有効に機能するよう当院も尽力していきます。医療的ケアに経験豊富な当院の医師、看護師、医療的ケア児等コーディネーター、医療ソーシャルワーカー、チャイルド・ライフ・スペシャリスト、臨床心理士などがお話をお聴きし、各所と連携をいたしますので、何かあればためらわずにご利用いただければと思います」と話しています。

県医療的ケア児・者相談支援センター

お電話にてご相談を受け付けています。
電話:059‐231‐5768
(三重大学病院 小児・AYAがんトータルケアセンター)
相談受付時間: 平日の午前9:00~午後4:00
医療的ケア児・者とは:
日常生活および社会生活を送るために恒常的に医療的ケア(人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引、その他の医療行為)をうけることが不可欠な児童や成人。