コロナ禍で大地震発生を想定した多数傷病者受け入れ訓練を実施しました

当院は、災害拠点病院として、災害時にも医療体制を継続し、一人でも多くの傷病者の救護を優先した医療を提供できるよう、災害時BCP(事業継続計画)をはじめとする対策の導入および運用に力をいれ、職員参加による防災訓練を定期的に実施しています。

その一環として、2月19日(土)、当院の医師、看護師をはじめとする医療従事者、事務系職員に加え、津北消防署、県内の他病院のDMAT(災害派遣医療チーム)、自衛隊OBからも参加いただき、総勢300人以上による防災訓練を実施しました。
この訓練では、コロナ禍で南海トラフ級の地震災害が発生し、当院も被災した中で多数の傷病者を受け入れるという事態を想定。コロナ感染の疑いのある方を含む多数の疾病者の医療をどう的確に行うのかということを確認しました。

訓練の参加者からは、「前回の反省を今回再確認した」、「いざというときに適切な観察と判断をするためには、日ごろから練習が不可欠」、「連携や情報共有に課題が見つかった」、「役割分担、効率的な動きの検討が必要」、「災害レベルに応じた方針決定を強化すべき」、「手順や課題を確認できて有意義だった」など、様々な声が聞かれました。

また、今回の防災訓練は、一見三重県知事、前葉津市長、浦和津医師会長、佐藤津市消防長、小菅北消防署長も視察に来られました。
一見知事は、開設したばかりの感染症危機管理センターや重症者の待機エリア(赤エリア)を特に熱心に視察されていました。
前葉津市長からは、「医療従事者の皆様がコミュニケーションをしっかり取りながら有意義に訓練を進められたことに敬意を表します」とコメントをいただきました。

災害対策本部長として訓練を統括した当院の伊佐地院長は、 「今回の多数傷病者受け入れ訓練は、模擬患者数が60名と昨年の約2倍の数であったことから、より実践的な訓練となった。特に、赤エリア(重症患者)では、患者さんが次々と運び込まれ、その対応に苦慮しているところを目の当たりにし、今後の課題が浮き彫りにされた」と訓練を振り返っています。

また、当院の病院長特命補佐 災害対策推進・教育センター長を務める岸和田昌之医師は、「実働訓練を行うことで多くの課題が見つかり、参加者からも建設的な声をいただいた。ひとつずつ克服していき、病院の体制を強化していきたい」と今後につなげる重要性を強調していました。

災害拠点病院とは:
災害時における初期救急医療体制の充実強化を図るための医療機関。24時間緊急対応し、被災地からの傷病者の受入・搬出を行えること、災害対応の専門チームが構成できること、被災しても医療継続ができるよう計画が整備されていることなど、運営体制、施設、設備、搬送機能において多くの要件を満たしていることが求められます。各都道府県により指定され、三重県では当院を含む17施設が指定されています。