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家族性アルツハイマー病を対象とした治験開始について

概要

三重大学医学部附属病院の冨本秀和 教授、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の井上治久 教授、京都大学医学部附属病院の坂野晴彦 准教授らは、「プレセニリン1遺伝子変異アルツハイマー病に対するTW-012R(ブロモクリプチン)の安全性と有効性を検討する二重盲検比較試験及び非盲検継続投与試験」を計画してきました。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験計画届を提出し、この度、医師主導治験を開始する運びとなりましたので、下記の通り発表いたします。

背景

アルツハイマー病は進行性の疾患で、進行するにしたがって脳細胞が死滅し、脳萎縮をきたし、物忘れや日時・場所がわからなくなるなどの認知機能障害を生じます。アルツハイマー病は認知症の原因の半数以上を占め、超高齢社会において解決すべき喫緊の課題となっています。現在、認知症治療薬として4つの薬剤が使用されています。しかし、アルツハイマー病は根本的治療が難しい疾患であり、さらなる治療薬の開発が求められています。

今回の治験では、家族性アルツハイマー病由来のiPS細胞を大脳皮質神経細胞へ分化させ、その細胞を用いたスクリーニングの結果、アルツハイマー病の原因タンパクであるアミロイドβの産生を最も強力に抑制する薬剤としてブロモクリプチンを同定しました。この薬剤は、パーキンソン症候群などのお薬として用いられている既存薬ですので、副作用や安全性に関する情報がわかっています。

経過

  • 令和2年4月1日 治験計画届書を提出
  • 令和2年6月5日 治験開始
  • ※各実施医療機関により治験開始時期が異なります

 

(1) 治験課題名
「プレセニリン1遺伝子変異アルツハイマー病に対するTW-012R(ブロモクリプチン)の安全性と有効性を検討する二重盲検比較試験及び非盲検継続投与試験」
(2) 治験の目的
ブロモクリプチンは臨床使用されている既存薬ですが、家族性アルツハイマー病患者さんにおける安全性は明らかにされていないため、本治験では、患者さんに対する安全性および有効性を評価することを目的としています。
(3) 試験デザイン
三重大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院を含む多施設共同で二重盲検試験および非盲検試験を行います。
家族性アルツハイマー病患者さんに、約50週間にわたって治験薬を内服していただきます。
(4) 主な適格基準
プレセニリン1遺伝子に変異をもつアルツハイマー病患者さん10例
信頼できる親密な関係のパートナー/介護者のいるもの
患者さん本人または代諾者から文書による同意が得られているもの 等
(5) 観察期間
参加者の通院の期間として、1年程度を予定しています。