第2回講演会「在宅での慢性疼痛へのアプローチを学ぼう!」レポート


告知に用いたチラシ

2018年6月03日(日)に学生サポーター主催の第2回講演会を実施しました。「在宅での慢性疼痛へのアプローチを学ぼう!」と題して鈴鹿医療科学大学(以下、鈴鹿医療大)看護学部看護学科の山路由美子先生に講演していただきました。鈴鹿医療大と三重大学(以下、三重大)の学生総勢20名(学生サポーター含む)が参加し、講演後には「ランチ交流会」、午後には慢性疼痛プロジェクトに携わっている教員の方々に「ミニ医療ワークショップ」をやっていただきました。以下に詳細をレポートします。

講演会概要
実施日:2018年6月03日(日)
実施場所:鈴鹿医療科学大学白子キャンパス 3号館
来場者数:20名(鈴鹿医療大:7名、三重大:9名 学生サポーター:4名)
企画内容:3部構成
第1部:講演「保健師という職種を通じて、在宅での難病患者さんの痛みについて学ぼう!」
第2部:ランチ交流会「他大学の学生と交流しよう!」
第3部:ミニワークショップ「チーム医療を体験してみよう!」

第1部:講演「保健師という職種を通じて、在宅での難病患者さんの痛みについて学ぼう!」

学生に講演する山路先生

第1部では山路先生に「保健師という職種を通じて、在宅での難病患者さんの痛みについて学ぼう!」をテーマに講演していただきました。内容は大きく、「保健師とは」、「難病とは」、「ALSについて」「ALS患者さんの在宅療養の様子を紹介(DVD)」「ALSの患者さんが抱える痛みについて」に関してお話いただきました。
まず初めに、保健師はどういう職種なのかをお話いただきました。山路先生の「保健師の対象は、病気の方だけではなく、健康になりたいと思っている全ての人。そう思っていない人でも、ケアが必要な人。その人一人では中々できないので、地域で取り組んでいく。社会全体を変えていく仕事。」という話が印象に残りました。

次に、難病についてお話いただきました。配布資料として、国で指定されている難病359疾患(平成30年度4月時点)の一覧表をいただき、難病疾患は年々増えているというお話を伺いました。

講演会を真剣に聞く参加学生

最後に難病の例として、ALSについてお話いただきました。ALSがアイスバケツチャレンジやホーキンス博士で有名であるという切り口から、簡単な病態についても解説いただきました。そのあと、山路先生が実際に携わられたALS患者さんの在宅療養の様子を紹介したDVDを上映していただきました。普段の大学の講義では、病気の患者さんが在宅でどのように過ごされているのかを知る機会が少ないため、DVDを見て患者さんの生活の実態を知ることができました。DVD閲覧後には、ALS患者さんが抱える痛みについて考察しました。ALSの患者さんは、体を動かせないがゆえに「普段動かしていない関節を動かした時の痛みが生じる。例えば、移動の時、体をきれいにする時や、布団を替える時などに痛みが生じる」といった話は今回初めて知ったので、とても勉強になりました。

 

講演会の最後には、「自分が働いている医療機関だけでなく、在宅の場も見て欲しい。在宅の患者さんが普通に社会参加をしていくには壁がある。そういう人たちに出会ったとき、できないところを診るのではなく、できるところを診れる医療者になって欲しい。」というメッセージをいただきました。

参加学生は真剣なまなざしで先生の講演を聴講していました。山路先生、お忙しい中本当にありがとうございました。
 

第2部:ランチ交流会「他大学の学生と交流しよう!」

交流ゲームを楽しむ参加学生達

第2部では、第1部とは打って変わり、学生達の交流を目的としてフランクな空気で「ランチタイム交流会」を行いました。                            

昼食を食べながら、アイスブレイクで自己紹介をしたり、食事後にはグループゲームやビンゴ大会を行いました。                                 

学生サポーターが企画を準備する必要がなかったくらい、学生同士が積極的に交流をしてくれていたので本当に良かったです。今回の講演会の目的の1つが、2大学間の学生同士で交流を深めることだったので、充分その目的は達成できたと感じました。各学生が今回構築した関係を、これからも継続していってもらえればと学生サポーター一同感じました。
 

第3部:ミニワークショップ「チーム医療を体験してみよう!」

ミニワークショップ開始前の学生達

第3部では、慢性疼痛プロジェクトに携わっている先生方に、ミニワークショップを実施していただきました。内容は夏の本番のワークショップにも関係があるので控えさせていただきますが、とても学びのある経験となりました。ぜひ夏に参加する学生達は楽しみにしていただければと思います。

全体的な総評

終了後に、山路先生と共に記念撮影

第2回の講演会は、アンケート結果で全体の満足度として5段階中4.75の評価をいただけました。よって参加者には一応満足いただける会にできたと思います。特に今回は、前回以上に参加学生同士が打ち解けてくれていたので、そこは本当に良かったです。

とはいえ、感想に「もっと山路先生の講演を聞きたかった」「交流会の進行が途中で雑になっていた」とご意見も頂きましたので、次回以降はより満足していただけるように学生サポーター一同精進していきたいと思いますので、引き続きご支援のほどよろしくお願いします。

学生サポーターの感想

◆これからも大学の垣根を越えて、医療系学生同士で交流できる機会を作りたい
講演してくださった山路先生をはじめ、日曜日にも関わらず参加してくれた学生のみなさんや、ご協力してくださった多くの先生方のおかげで無事に講演会を終えることができました。本当にありがとうございました。

山路先生のご講演では、普段習う機会の少ない難病について意識をもつきっかけとなりました。特に、在宅でのALS患者さんのDVDを見たことで、在宅医療の具体的なイメージを抱くことができました。「在宅の場も見て欲しい」という先生の言葉を心に留め、今後増えるとされている在宅医療に向けて学んでいければと思います。

この講演会を通して、決して多くはない人数ですが、大学、学科、学年関係なく交流ができたのではないかと思います。これからも大学の垣根を越えて、医療保健福祉系学生同士で交流できる機会を作っていきたいです。

学生サポーター 内山

◆今まであまり接点を持つ機会のなかったALSという病気について学ぶことができた
今回の講演では山路先生にALSについてお話しいただいた。ALSがどういう病気なのか、ALSの患者がどのような苦しみを抱えているのか、介助する家族の負担はどんなものなのかなどの話を聞き、今まであまり接点を持つ機会のなかったALSという病気について学ぶことができました。また、ALS以外の難病についてもご紹介して頂き、わが国にはこんなにもたくさんの難病が存在するのかと驚かされました。

講演会の後には、昼食をとりながら交流会を行い、三重大学と鈴鹿医療科学大学の学生の懇親を図りました。参加者の皆さんが我々が思っていた以上に積極的に交流してくれたため、運営側の我々としては大いに助けられました。今回で2回目の講演会の主催でしたが、参加者の皆さんの協力もあって比較的円滑に進めることが出来たのではないかと感じています。ただ、講演会前の打ち合わせに使える時間がなかなか確保できなかったため、もっと打ち合わせを密に行い詰めていくことで、より参加者の皆さんに楽しんでもらえるものになると思います。

学生サポーター 山口

 

◆鍼灸師としての自分の将来に役立つお話を聞くことができました
今回は、鈴鹿医療科学大学看護学科の山路先生による講演会、ランチ交流会、ミニワークショップという3部構成で行いました。

山路先生には保健師としての経験から、在宅医療、難病、特にALSについてお聞きする事ができました。最近では、訪問鍼灸も多く、在宅医療のお話はとても勉強になり、自分自身が訪問という形を取る時に必ず役に立ってくると感じました。

また、用意してくださった資料に載っている難病の数やALSの方のDVDをみて、初めて知った事が多く、もっといろんな方向に対して勉強しないといけないという風に思いました。

2部のランチ交流会では参加学生自身で積極的には交流をしていて、講演会をして良かったと実感する事ができました。デザートをかけたビンゴ大会も大いに盛り上がり濃い時間になりました。

ミニワークショップでは、昨年の夏のワークショップに参加していた学生の更に成長した姿や、初参加、1年生の方々がとても積極的に意見を言い合っているのみて、これからも学年など関係なく、交流できる場が必要であり、それを提供しなければと深く思いました。

学生サポーター 小田

◆病院の外にも目を向けられる医療者になりたいと感じました
今回、無事第2回の講演会を終えることができほっとしています。今回は山路先生だけでなく、プロジェクトに携わっていただいている多数の先生方にも「ミニワークショップ」でご協力くださりました。ご協力いただいた先生方には本当に感謝しております。

山路先生が講演会の最後に仰られた「病院の外にも目を向けて欲しい」というメッセージが印象に残りました。今後、一層高齢化率の上昇する日本においては在宅で患者を診ることの重要性がますます高くなります。病院と在宅では同じ患者さんでも雰囲気が変わるという話も伺ったので、在宅という場での医療について引き続き興味を持ち学んでいきたいです。

また毎度のことにはなりますが、今回構築した両大学の学生の関係を継続できるように引き続き講演会を企画するなど努力していきたいです。

学生サポーター 宇都宮

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