1.講義

講義形式のコアコース (2単位:1年次後期)
慢性疼痛の病態生理、診断と治療、チーム医療的アプローチを学ぶ

 

授業概要

その人の痛みは、その本人にしか分かりません。痛みをどのように理解するのか? 痛みは、全ての人の身体と心にかかわる問題です。授業では、痛みのしくみを理解し、まず一般市民として、さらに今後、医療系に進む人には、医療人としてどのように痛みに対処するのかを、学びます。痛みの科学を履修することにより、自分と自分の周囲の人が痛みを感じたとき、過度な不安を感じることなく、適切な行動、対処ができるようになる、考え方を身につけます。痛い人に、いかに接したらよいのか、多方面からのアプローチを考えてみたいと思います。

 

学習目的

日常生活やけが、病気で感じる痛みのしくみについて知り、自分が経験した痛みの発生原因や、体でおこっていることを理解できるような知識を身につけます。痛みは、体で起こっているよからぬことを知らせる警告信号ですが、痛みの原因がなくなっても痛みが持続することもあります。3か月以継続する痛みを「慢性の痛み」といいますが、高齢者では慢性の痛みを持つ人が多くなります。一方、若人でもケガの後に痛みが長引く人もいます。実際、その人の痛みは本人にしか分からないので、本人がどのように感じるかが大切です。心理的要素により痛みは、軽くなったり、重くなったりする側面があるのも事実です。本主題では、痛みのしくみと、痛みを和らげる対策について、多方面から考えてみます。

 

到達目標

ⅰ.痛みが発生するしくみを神経の機能で説明でき、痛みの発生している原因を推察でき、自分の経験したことのある痛みのしくみに気づく。

ⅱ.慢性の痛みの治療は、薬、体操、ストレッチ、温熱療法、リハビリテーション、心理的的取組、鍼灸、など多方面からのアプローチを駆使して痛みをとるという考えかたを身につけ、各領域の専門職が存在することを知る。

ⅲ.痛みを我慢し続けると痛みを覚えてしまうことを知り、痛みを下げる、多方面からの取組の存在と重要性を学び、自分の痛みを自分で抑える方法の科学的考えかたを身につける。

 

授業計画

各テーマについて、三重大学医学部教員、鈴鹿医療科学大学教員による講義を行います。後期授業の開始は、三重大学と鈴鹿医療科学大学で異なりますので、15回の講義の内、12回が遠隔授業になる予定です。

2019年度の遠隔授業第1回目は、10月1日(火)15時10分から16時10分を予定しています。授業開始時間が、両大学で30分ずれていますので、共通の60分間の遠隔授業を行い、残りの30分は、各大学で予習・復習的な取り組みを行います。

 

✓  オリエンテーション 三重大学医学部、鈴鹿医療科学大学

✓  何故痛むのか?(痛みのしくみ)    三重大学医学部

✓  心頭を滅却すれば火もまた涼し(自分で自分の痛みを抑える仕組み)  三重大学医学部

✓  痛みのメモリー(痛みを覚えさせない) 三重大学医学部

✓  痛みの診断と治療(痛みの原因があれば、原因の治療を) 三重大学医学部

✓  痛みとともに生活する人への看護支援×2 三重大学医学部および鈴鹿医療科学大学

✓  腰、肩、膝の痛み(整形外科的アプローチ) 三重大学医学部

✓  痛みの心理的側面   鈴鹿医療科学大学

✓  痛みに対するリハビリテーション(運動・体操・ストレッチ)    鈴鹿医療科学大学

✓  痛みと栄養 鈴鹿医療科学大学

✓  痛みを抑える薬 鈴鹿医療科学大学

✓  痛みと鍼灸 鈴鹿医療科学大学

✓  痛みと交感神経 鈴鹿医療科学大学

遠隔授業のイメージ (4月17日セミナーの様子から)