2018年1月27日(土)に学生サポーター主催の第1回講演会を実施しました。「鍼灸を知って、感じて、考えよう!」と題して鈴鹿医療科学大学(以下、鈴鹿医療大)保健衛生学部鍼灸サイエンス学科の鈴木聡先生に講演していただきました。鈴鹿医療大と三重大学(以下、三重大)の学生総勢19名が参加し、講演の後の鍼灸体験やディスカッションを通して鍼灸への理解を深めると同時に、交流を深めました。以下に詳細をレポートします。
講演会概要
実施日:2018年1月27日(土)
実施場所:鈴鹿医療科学大学白子キャンパス 3号館
来場者数:23名(鈴鹿医療大:11名、三重大:8名 学生サポーター:4名)
企画内容:3部構成
第1部:講演「鍼灸を身近に感じよう!」
第2部:鍼灸体験「鍼と灸を体験してみよう!」
第3部:ディスカッション「鍼灸を通して多職種連携を考えよう!」
第1部:講演「鍼灸を身近に感じよう!」
第1部では鈴木先生に「鍼灸を身近に感じる」をテーマに講演していただきました。内容は、「鍼灸とは」、「海外の鍼灸」、「病院と鍼灸」「美容と鍼灸」「スポーツと鍼灸」について話していただきました。特に「海外と鍼灸」では、鈴木先生が以前研究で海外の鍼灸教育を調査された際の写真を交えて、鍼灸の国ごとの違いをわかりやすく説明してくださりました。個人的には、ドイツでは自然療法士という職種が存在すること、韓国では韓医師という東洋医学専門の医師を養成する大学があること、中国では鍼灸専門の700床ほどの病院があることなどが印象に残りました。
クイズや、実物を交えながら講演していただけたので、学生たちは熱心に聞き入りあっという間に時間が過ぎました。鈴木先生、ご多忙の中素晴らしい講演を準備してくださり本当にありがとうございました。
第2部:鍼灸体験「鍼と灸を体験してみよう!」
第2部では、鈴木先生監督のもとで、美容鍼灸のデモンストレーション、煙の出ないお灸体験、貼るタイプの鍼体験をしてもらいました。ほとんどの人は鍼灸が初めてだったので、体験前は「鍼を刺すとか不安」「鍼が折れないのか」などの声がありましたが、実際に体験してもらった後は「それほど痛くなかった」「これからも受けてみたい」「家族にもすすめてみたい」などの声がいただけました。
また筋硬度計を用いて、貼るタイプの鍼を貼る前後での筋硬度の比較を行ったのですが、多くの人で筋硬度が低下しました。もちろん、個人差はあるのですが、一部の人には鍼灸の効果を体感していただくことができました。
今回の体験を通して、多くの学生が鍼灸に対する怖いというイメージを解消してもらえたのでよかったです。僕自身実際に体験する前までは、鍼と言われると注射針のイメージがあり、なんとなく怖いと感じていたのですが、体験後は思っているより全然痛くないと感じました。これなら、将来患者さんにも勧められると考えられるようになったので、やはり何事も体験することは重要だと感じました。
第3部:ディスカッション「鍼灸を通して多職種連携を考えよう!」
第3部では鍼灸のこれからや、鍼灸を通して多職種連携について考えていただきました。時間が押している中でしたが、それぞれの学生が楽しみながらディスカッションをしてくれて、学生サポーターだけで議論していた時には得られなかった違った視点からの意見がたくさん出ました。
「これからの鍼灸に期待すること」についてのディスカッションでは、「鍼灸と理学療法でうまく協力し合いたい」、「医師となった時、当然の選択肢として鍼灸を提示したい」「東京オリンピックで鍼灸師が活躍してほしい」「怖くないことを、多職種の人たちで協力して広めていきたい」「妊婦さんにもっと使われるようになってほしい」などの意見が得られました。
「各医療職種が、今後鍼灸をどう生かせるか考えてみよう」についてのディスカッションでは、
・臨床心理士…心理的ストレスを鍼灸と協力して和らげたい
・理学療法士…連携してリハビリの効果を高めたい、感覚検査の前にリラックスしてもらえるように用いたい
・臨床検査技師…検査で血流の流れがわるいとわかったときに、鍼灸で血流の流れを促進してもらいたい
・看護師…訪問看護に鍼灸を組み合わせたい、周産期のケアに鍼灸を組み合わせたい
・医師…新たな研究領域の開拓に使えそう
・全職種…各職種の業務による疲労緩和に使えそう
などの意見が出ました。
僕たち学生サポーターもまだまだ多職種連携について勉強不足ですので、とても勉強になりました。
アンケート結果抜粋
①第1部:鈴木聡先生による講演会はいかがでしたか?
→4.76/5段階中
②第2部:鍼灸を体験してみようのパートはいかがでしたか?
→4.82/5段階中
③第3部:ディスカッションパートはいかがでしたか?
→4.35/5段階中
④学生サポーターの進行はいかがでしたか?
→4.47/5段階中
⑤全体を通しての満足度はいかがでしたか?
→4.47/5段階中
⑥今後、もっとこういうイベントや講演会なら参加したというものはありますか?(自由記述)
・知識を広げて、色々な人とも仲良くなれたので、またあればぜひ参加したいです
・鍼灸や多職種関連なら参加したいです
・具体的ケースを用いてこう使えるみたいなものを知りたい
・みんなと楽しくわいわいできたのでまた参加してみたいです
・もっと多職種連携を深められるようなもの
・今日の内容とは別の内容なら参加してみたい
・他の職種についてやってみても良いと思う
・診療情報管理士や医療事務など普段あまり聞きなれない職種について扱ってほしい
・今回のように体験できるパートがあるならまた参加したい
・1回限りでなく数回の勉強会、あるいは講演会を通して何かを作り上げるようなものもあると良いかもしれない
・自分たちが知らない職種もたくさんあるのだなと改めて知れた。職種について知ることのできる機会があれば良いと思います
⑦講演会自体への要望がありましたらご記入いただけますか?(自由記述)
※講演会の長さ、場所、曜日、時間帯など
・長さは少し長かった気がします
・ちょうどよかったです
・大きな教室だったので良かった
・もっと体験する時間が欲しかった
⑧その他、感想や学生サポーターへの要望・アドバイスなどありましたら、ご記入いただけますか?(自由記述)
・せっかくの企画が駆け足になってしまって残念だった
・自分の中の鍼灸のイメージが変わって、すごく良いものだとわかったので今後色んな人に勧めていきたい
・もう少し企画に余裕があった方がよかったです
・今後の告知に協力したいです
これらの意見を参考にして、次回もより良い講演会を開催したいと考えています!
学生サポーターの感想
◆今後もこの繋がりが様々な形で続いていって欲しいと思いました
今回鈴鹿医療科学大学保健衛生学部鍼灸サイエンス学科の鈴木聡先生に講演会をしていただき、東洋医学のイントロから鍼灸専攻の学生が知らないような事まで話していただき、大変勉強になりました。特に、海外での東洋医学や鍼灸師の立ち位置が各国によって様々で興味深かったです。
鍼灸体験は美容鍼や電子お灸だけでなく、セイリン社のパイオネックス(円皮鍼)やセネファ社のお灸などを体験しました。円皮鍼やお灸などは類似したものが薬局などにも売っているので、今後も自身で使えるのでとても良かったです。
ディスカッションは自身の専攻と他学科との繋がりを再確認することが出来て、これから先何かあった時に相談できる人が増えると思いました。講演会後の懇親会にも沢山の方に来ていただき、今後もこの繋がりが様々な形で続いていって欲しいと思いました。
学生サポーター 小田
◆今後も継続的に開催していき、より繋がりを広げていければと思います
第1回講演会として、鈴鹿医療科学大学保健衛生学部鍼灸サイエンス学科の鈴木聡先生に鍼灸についてお話ししていただきました。鍼灸師のお仕事や海外の鍼灸事情など、知らなかったことばかりで大変勉強になりました。また、参加者の方々にとっても、鍼灸を知るいいきっかけになったのではないかと感じます。
体験パートと、ディスカッションパートでは、鍼灸を体感してもらえただけでなく、他大学・他学科の人たちとたくさん交流してもらえたと思います。ディスカッションでは面白い意見も出ており、自分自身、多職種連携について学ばせていただきました。
今回が初めての講演会で、不慣れで至らない部分も多かったと思いますが、鈴木先生と参加者の方々のご協力によって無事終えることができました。本当にありがとうございました。
講演会後の懇親会も含めて、他大学・他学科の人たちと友達になるいい機会であったように感じます。今回の反省を生かして、今後も継続的に開催していき、より繋がりを広げていければと思います。
学生サポーター 内山
◆今回の活動で得た縁を将来の多職種連携につなげていきたいです
学生サポーター主催講演会の初開催として鈴鹿医療科学大学の鈴木先生にご講演頂きました。講演パートでは、鍼灸が活用されている場所や各国における鍼灸の扱いなどをお話しいただき、参加者も興味深く聞き入っていました。
体験パートでは、初めて鍼灸を体験する参加者も多く、皆さん興味津々で和気あいあいとした雰囲気で楽しんでいました。また、ディスカッションパートでは初めて会う人たちとも臆することなく積極的に議論を交わしていました。参加者の皆さまにはこの活動で得た縁を大切にして、将来の多職種連携につなげていってもらいたいです。
初めての講演会主催ということもあり、不行き届きも多かったとは思いますが、参加者の皆さまや鈴木先生のご協力もあり、大きなトラブルもなく無事に講演会を終えることが出来ました。今回の経験を活かし、今後の活動ではより洗練された講演会を提供していきたいと思います。多職種連携の輪が広がっていくことを目指し今後の活動に励みたいです。
学生サポーター 山口
◆卒業後にも継続的に連絡を取り合えるような関係性を構築していきたいです
今回は初めての講演会ということ色々と戸惑う部分も多かったですが、鈴木先生のアドバイスや学生サポーターの協力でなんとか無事終えることができました。ご多忙の中、色々と準備・ご指導してくださった鈴木先生には本当に感謝しています。本当にありがとうございました。
また鈴鹿医療大と三重大の学生が休日にも関わらず19名も参加してくれたことにも本当に感謝しています。終了後の懇親会にも多くの学生が参加してくれ、2大学の医療系学部学生が交流を深めることができました。
しかし、今回せっかく深まった仲も、それが途切れてしまっては意味がありません。ですので、これからも学生サポーターとして、定期的に学生同士が交流できる場を提供し、卒業後にも継続的に連絡を取り合えるような関係性を構築できるようにしたいです。
学生サポーター 宇都宮
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