慢性痛をもちながら暮らす人への支援 ~多職種チームだからできること~

担当:辻川真弓・上條史絵

ワークショップに参加する多くの皆さんは、1年次に慢性疼痛について講義で学んできました。それらの知識に加えて、ワークショップ1日目で学んだ痛みを和らげるアプローチや、2日目で育んだ「チームで挑む力」を駆使して、3日目には、慢性痛をもつ患者が、その人らしく生活していくためには、どのような支援が必要であるかを、実際の事例を通してチームで考え、ロールプレイを通して支援策を実践します。

慢性疼痛は、原因が不明な場合も多く、有効な治療法がないことも多いため、生活の支障や仕事ができなくなるなど、患者に心理的、社会的そして実存的な苦しみをもたらします。そのため、一人の医療者だけでは解決出来ないことが多く、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床心理士、栄養士、鍼灸師など、多職種がチームとなり、患者さんと伴に共通の目標をもって、治療・ケアにあたることが必要になります。

皆さんはまだ、各々の専門教育の途上にあります。そういう時期だからこそ、慢性の痛みに苦しむ患者さんに、医療者として何が出来るかについて仲間と考えることは、他の専門職の役割を知るとともに、自身の専門職に期待される役割についても気づく機会となります。

様々な医療分野の学生が、ワークショップを通して互いの強みを知るとともに、互いに連携することが、患者さんを支える大きな力になることを実感してください。

チーム医療を担う将来の自分を見据えて、ワークショップに楽しく参加し、自己の課題に気づく機会にしていきましょう。

 

                                                                                                                                                              

辻川 真弓     つじかわ まゆみ
三重大学大学院医学系研究科 看護学専攻 がん看護学分野 教授

千葉大学看護学部卒業、三重大学大学院医学系研究科修了(看護学修士・医学博士)、看護師・保健師
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上條 史絵  かみじょう しえ
鈴鹿医療科学大学保健衛生学部 医療福祉学科臨床心理学専攻 助教

2004年▶大阪大学人間科学部人間科学科教育学専攻卒業
2011年▶大阪大学大学院人間科学研究科人間科学専攻博士後期課程単位取得退学
2012年▶いわき明星大学心理相談センター 契約教員 2013年▶大阪大学大学院人間科学研究科 助教
2014年▶阪南大学学生相談室 主任カウンセラー
2017年▶三重大学大学院医学系研究科麻酔集中治療学 特任助教
2019年より現職。臨床心理士・公認心理師。
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横地 歩  よこち あゆむ
三重大学附属病院 麻酔科講師、外来副科長、医師 専門:麻酔学、ペインクリニック

1992年▶三重大学医学部卒業 1994~現在▶三重大学麻酔科ペインクリニック外来勤務
1994~2002年▶三重大学大学院 1998~2002年▶厚生連松阪中央総合病院麻酔科勤務
2010年▶医学博士 2015年~▶日本認知・行動療法学会に参加し、発表
2019年▶附属病院痛みセンター副センター長(併任)
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中村 喜美子  なかむら きみこ
鈴鹿医療科学大学 看護学部看護学科 准教授

2004年▶三重大学大学院医学系研究科看護学専攻修士課程修了
2006年▶がん看護専門看護師 三重大学医学部附属病院で緩和ケアチームにて活動
2016年~▶現職