ABOUT薬剤部概要

薬剤部長挨拶

授・薬剤部長 岩本 卓也

三重大学医学部附属病院薬剤部

教授・薬剤部長 岩本 卓也

部長に就任して6年目を迎えました。昨年は社会活動が一段と活発となり、31日には三重大学医学部にて日本薬剤師レジデントフォーラムを開催し、1026日には日本病院薬剤師会東海ブロック・日本薬学会東海支部合同学術大会の大会長を務めました。いずれの大会も、部員による献身的な運営サポートと多数の演題発表に支えられ、盛会のうちに終えることができました。また昨年は、薬剤師の地域出向を開始し当薬剤部にとって歴史的な一年でもありました。5月から尾鷲総合病院、6月から三重ハートセンターへの派遣を開始し、これまでに前者へ4名、後者へ2名の薬剤師が交代で勤務しています。地域医療や循環器医療という新たなフィールドが、当院薬剤部の活躍の場、学びの場として加わったことは、薬剤師の職能拡大や資質向上の観点から大きな意義を持つものと考えています。

 薬剤部の体制とビジョン 

現在、薬剤部には66名の薬剤師と10名の事務補佐員が在籍し、教授・准教授・講師・助教を中心とした研究・教育体制、副部長・薬剤主任・専門/指導薬剤師を中心とした業務体制を構築しています。 

私たちは、 

1. 高度先進医療・地域医療を支える

2. 医療人としてのプロフェッショナリズムを醸成する 

3. 未来を拓く診療・研究を推進する

というビジョンを掲げ、県下唯一の特定機能病院として、業務・研究・教育の三本柱を力強く推進しています。

 業務の充実と環境整備 

調剤・製剤・医薬品情報といったセントラル業務に加え、病棟、外来化学療法部、救命救急・総合集中治療センター、手術部、臨床研究開発センター、医療安全管理部、感染管理部など、多岐にわたる領域で薬剤師が活躍しています。院内には一般病棟、NICU、救命救急・総合集中治療センター、手術部、外来化学療法部にサテライトファーマシーを設置し、チーム医療に参画しやすい環境を整えています。また、SPD(外部委託)による医薬品管理の効率化により、薬剤師が薬剤師らしい仕事に専念できる体制が進んでいます。さらに、自動薬剤ピッキング装置、注射薬自動払出し装置、散薬調剤ロボット、全自動錠剤分包機、一包化鑑査支援装置、抗がん剤調製ロボット、LC-MS/MS などの先端機器が稼働し、調剤エラーの最小化に寄与しています。 保険薬局との連携も、トレーシングレポートの活用や事前合意に基づく調剤内容変更プロトコルの運用、当部主催の勉強会開催などを通じて、着実に深化しています。

 ■ 教育体制の強化 

当院は日本病院薬剤師会、日本医療薬学会などの認定研修施設であり、4年目には日病薬・病院薬学認定薬剤師の資格申請、6年目には医療薬学会専門薬剤師、薬物療法専門薬剤師、がん専門薬剤師、妊婦授乳婦専門薬剤師等の資格申請が可能です。教職員には専門資格の取得に励むよう教育しています。また、地域の保険薬局に勤務する薬剤師も専門資格取得に向けて当院で研鑽を積んでおり、保険薬局薬剤師との交流も盛んです。

薬剤師の初期研修であるファーマシーレジデント研修制度は今年度で10期目を迎え、これまでに39名が研修しています。医師講義や教員によるグループセミナーを通して、疾患の疫学・発症機序・診断・薬物治療を体系的に学ぶことができ、学会発表に向けた臨床研究支援も行っています。今年より、保険薬局での2週間の在宅医療の研修も開始しており、充実した研修プログラムになっています。

まだ実績はありませんが、地域医療を学ぶレジデントプログラム(令和7年度開設)では、当院の薬剤師が出向している医療機関(例えば尾鷲総合病院)での2年間の研修を含む3年間の研修を実施します。

研究活動の推進 

三重大学大学院医学系研究科に設置する臨床薬剤学講座(Department of Clinical Pharmaceutics)を主宰し、大学院生(当院職員・留学生を含む)の研究指導を行っています。また、大学院では、文部科学省がんプロフェッショナル養成プラン・専門薬剤師コースもあり、医学博士号とがん専門薬剤師の取得を目指す環境を整えています。 

博士号の取得は、高度な専門知識の証明にとどまらず、診療に不可欠な考察力・洞察力・遂行力を高めるうえでも重要であり、薬剤部には現在、11名の学位取得者が在籍しています。今後は20名規模の学位取得者の育成を目指しています。

おわりに 

薬物療法は年々高度化・多様化しており、薬剤師が担うべき役割はますます拡大しています。タスク・シフト/シェアの実践を通じて医療の質を高めるためには、薬剤師一人ひとりが専門性を磨くとともに、組織として薬物治療の適正化と安全性向上に向けて知恵を出し合い、取り組みを進めることが不可欠です。専門薬剤師や博士号取得、病院薬剤師の新たな挑戦に関心をお持ちの皆さまの見学・就職を心よりお待ちしております。

 

令和8年2月4日