教育
専門・認定看護師を目指すスタッフ支援
専門・認定看護師座談会
参加者プロフィール
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森實 かおり
母性看護専門看護師
活動内容ハイリスク妊産褥さんのケアや養育環境の調整
妊産褥婦さんのケアに関する相談対応
女性の健康に関わる相談対応など大切にしていること母親とその家族の想いに寄り添い、母子にとっての最善を一緒に考えていきたいと思っています -
木村 友美
慢性心不全看護認定看護師
活動内容循環器看護外来
VAD外来対応
心臓リハビリテーションカンファレンスへの参加など大切にしていること患者さんが人生や生活で大切にされていることと疾患管理の折り合い地点を一緒に考えることです -
舟田 美和
認知症看護認定看護師
活動内容認知症者の意思を尊重し、権利を擁護できるように支援
認知症者の残存機能を活かし、各期に応じたケア・その人らしく過ごせるように環境の調整
せん妄と認知症によるBPSDケアに関するスタッフ・ご家族の相談対応など大切にしていることこれまで培われた生活史を大切にし、認知症をもつ方々がその人らしく、共生できるように関わることを大切にしています -
片桐 雄哉
手術看護認定看護師
活動内容ハイリスク手術患者の外回り・器械出し看護と他職種間連携の調整
手術看護(外回り看護・器械出し看護)の振り返りや指導
手術室における感染・安全管理、皮膚ケアなどの相談対応
術後患者の疼痛管理に関するチーム回診大切にしていること手術を受ける全ての患者が安心して手術を受けてもらえるように関わることを大切にしています
志望動機

まず、みなさんが専門・認定看護師をどうして志したのかということに、すごく興味があるので教えてほしいと思います。
慢性心不全看護認定看護師の木村です。
私は、5年くらい同じ病棟で勤務していたので、スタッフから相談されることが増えてきていました。
本やガイドラインから知識を得ていても、実際の患者さんのケアとのズレを感じることもあり、後輩たちもそこに悩んでいるような印象がありました。それで、自分が患者やスタッフたちの力になれたらいいなと思って、認定看護師の教育課程で勉強させてもらうことを師長に相談しました。
私は、5年くらい同じ病棟で勤務していたので、スタッフから相談されることが増えてきていました。
本やガイドラインから知識を得ていても、実際の患者さんのケアとのズレを感じることもあり、後輩たちもそこに悩んでいるような印象がありました。それで、自分が患者やスタッフたちの力になれたらいいなと思って、認定看護師の教育課程で勉強させてもらうことを師長に相談しました。
手術看護認定看護師の片桐です。
手術部で勤務しているときに、手術部の看護師は術中のことだけでなく、術前・術後のこともわかっていないといけないと感じました。その後、ICUに配属になって、術後の患者さんが、シバリングで帰ってくることが多いことを目の当たりにして、体温管理など、手術部の看護師ができることを取り組んでいきたいなって思いが強くなりました。
それで、師長に相談して、手術看護認定看護師を取得するための教育課程に行かせてもらうことになりました。
手術部で勤務しているときに、手術部の看護師は術中のことだけでなく、術前・術後のこともわかっていないといけないと感じました。その後、ICUに配属になって、術後の患者さんが、シバリングで帰ってくることが多いことを目の当たりにして、体温管理など、手術部の看護師ができることを取り組んでいきたいなって思いが強くなりました。
それで、師長に相談して、手術看護認定看護師を取得するための教育課程に行かせてもらうことになりました。
相談した時、師長はどんな反応でしたか
すごく後押ししてもらいました。行ったらいいじゃないって。相談したその日の内に、教育機関を調べてくれて、ここだったら今年の受験に間に合うからって勧めてくれました。
すごく早い(笑い)
認知症看護認定看護師の舟田です。
認知症を持つ患者さんの術後看護を行ったときに、誤った認識での安全を優先し、ドレーン等を抜かれないようと、抑制をしていたことがありました。
清拭で抑制を一旦解除したんですけど、清拭が終了した時に、患者さんから「しばっていいよ」と両手を差し出しながら言われました。その時に、認知症の患者さんだから意思疎通が図れないわけではないことに気が付きました。自分は認知症の患者さんのことを何もわかっていないなと感じました。
師長と面談の時に、そのことを伝えたら、「ちょうどこんな学習の機会があってね」って、認知症看護の教育課程を教えてくれました。ちょっとびっくりしたけど、勉強したいなと思ったので、行かせてもらうことになりました。
認知症を持つ患者さんの術後看護を行ったときに、誤った認識での安全を優先し、ドレーン等を抜かれないようと、抑制をしていたことがありました。
清拭で抑制を一旦解除したんですけど、清拭が終了した時に、患者さんから「しばっていいよ」と両手を差し出しながら言われました。その時に、認知症の患者さんだから意思疎通が図れないわけではないことに気が付きました。自分は認知症の患者さんのことを何もわかっていないなと感じました。
師長と面談の時に、そのことを伝えたら、「ちょうどこんな学習の機会があってね」って、認知症看護の教育課程を教えてくれました。ちょっとびっくりしたけど、勉強したいなと思ったので、行かせてもらうことになりました。
そうなんですね。認知症があっても意思疎通が図れる、患者さんの反応に気が付くことができて、その経験から勉強したいって思ったんですね。 母性看護専門看護師の森實です。
助産師で就職してから、仕事は楽しいけど達成感をあまり感じられていなくて、3年くらいでやめようかなって思っていました。
そんな時に、三重大学が他施設共同研究で、妊産婦のメンタルヘルスに関する共同研究に参加することになって、師長さんに勧められて私も参加することになりました。周産期のメンタルヘルスのことを話し合うような場にも一緒に参加させてもらって、刺激を受けました。それと、他施設合同研究でいろんなカウンセリング技法とか精神科の構造面接技法とかを学んでから、妊婦さんとお話しするのがすごく楽しくなりました。
でも、妊婦さんの話を聴くだけでなく、悩みなどを解決することも考えないといけないと思い始めました。その頃に副師長になる機会をいただきました。知識・技術が不足している私が、ハイリスクの妊婦さんを支援することや、スタッフを育てていくことにすごく責任を感じました。それで、フィジカル面とメンタル面の両方をもう一度勉強したいと思って、大学院への進学を決めました。
助産師で就職してから、仕事は楽しいけど達成感をあまり感じられていなくて、3年くらいでやめようかなって思っていました。
そんな時に、三重大学が他施設共同研究で、妊産婦のメンタルヘルスに関する共同研究に参加することになって、師長さんに勧められて私も参加することになりました。周産期のメンタルヘルスのことを話し合うような場にも一緒に参加させてもらって、刺激を受けました。それと、他施設合同研究でいろんなカウンセリング技法とか精神科の構造面接技法とかを学んでから、妊婦さんとお話しするのがすごく楽しくなりました。
でも、妊婦さんの話を聴くだけでなく、悩みなどを解決することも考えないといけないと思い始めました。その頃に副師長になる機会をいただきました。知識・技術が不足している私が、ハイリスクの妊婦さんを支援することや、スタッフを育てていくことにすごく責任を感じました。それで、フィジカル面とメンタル面の両方をもう一度勉強したいと思って、大学院への進学を決めました。

私は、一旦臨床現場を離れて、進学することを選択しましたが、みなさんはどうされましたか?
退職はしていないです。病院に在籍したまま教育課程に行かせてもらいました。
半年程の期間、集中して認定看護師教育課程で学ぶことができました。遠方だったので、学校の近くに宿泊していました。
私は、週2日学校・あとは仕事という感じで、10か月間仕事と教育課程での学習を同時に行っていました。
子どももいるので、職場に近いところで学ぶことができてよかったです。家族にも協力してもらっていました。子どもの1人はちょうど受験生だったので一緒に勉強しようって誘って、一緒に勉強を頑張っていました。
職場でも、勤務と業務の配慮してもらっていました。必死でしたけど、すごく周囲の協力があって、なんとか過ごしていたという感じです。
子どももいるので、職場に近いところで学ぶことができてよかったです。家族にも協力してもらっていました。子どもの1人はちょうど受験生だったので一緒に勉強しようって誘って、一緒に勉強を頑張っていました。
職場でも、勤務と業務の配慮してもらっていました。必死でしたけど、すごく周囲の協力があって、なんとか過ごしていたという感じです。
他のみなさんは両立で困られたことはなかったですか?
自分も子ども2人が幼児の時だったけど、小学校に入る前に行ってきてほしいと家族に後押ししてもらいました。家族の協力と理解がないと無理だったと思います。
私は、親も元気で、学びに集中できるタイミングで行かせてもらいました。
一緒に学んでいた人たちは、年上の方が多かったです。舟田さんのように子育てをしながらの方もいらして、すごいなあと感じていました。でも、どんなライフステージにいても、自分がやりたいと思って、周囲の協力があればできると思いました。
一緒に学んでいた人たちは、年上の方が多かったです。舟田さんのように子育てをしながらの方もいらして、すごいなあと感じていました。でも、どんなライフステージにいても、自分がやりたいと思って、周囲の協力があればできると思いました。
病院からの支援について

病院からのサポートは何かありましたか?
認定看護師の教育課程に行くことを応援してもらえました。
金銭的にも、出張扱いで行かせてもらったので、交通費や宿泊費を支援してもらい、それから給与をいただけていました。
でも、授業料と資格取得にかかる受験料は自費でした(笑い)
金銭的にも、出張扱いで行かせてもらったので、交通費や宿泊費を支援してもらい、それから給与をいただけていました。
でも、授業料と資格取得にかかる受験料は自費でした(笑い)
そうなんですね。
私は、何もサポートのない時代でしたから退職して行ったので、全部自費だったんですよ。それを考えるとずいぶん手厚くなったと思います。
私は、何もサポートのない時代でしたから退職して行ったので、全部自費だったんですよ。それを考えるとずいぶん手厚くなったと思います。
専門・認定看護師になってよかったと感じること

患者さんの捉え方が大きく変わりました。
「なんでできないんだろう」とか、「もっとこうしたらいいのに」と思う気持ちより、まず患者さんのことを「知りたい」が先に立つようになりました。患者さんに歴史があって、生活があって、大切にしていることがある。そのことを否定しないことを大切にして関わるようになりました。
また、そのことをスタッフにも伝えたことで、スタッフの患者さんへの接し方が、まず話を聴くという姿勢になってきたと思います。自分が学んできたことが、スタッフの患者さんへのケアに活かされてきていることを感じています。
「なんでできないんだろう」とか、「もっとこうしたらいいのに」と思う気持ちより、まず患者さんのことを「知りたい」が先に立つようになりました。患者さんに歴史があって、生活があって、大切にしていることがある。そのことを否定しないことを大切にして関わるようになりました。
また、そのことをスタッフにも伝えたことで、スタッフの患者さんへの接し方が、まず話を聴くという姿勢になってきたと思います。自分が学んできたことが、スタッフの患者さんへのケアに活かされてきていることを感じています。
手術看護は、専門的な内容ですごく幅が広いと思います。
手術看護だけではなく、滅菌のことや手術部の運営とかもあって、そういうところは認定看護師になって初めて見えた一面です。手術看護は、何ごともなく終われることが目標となります。合併症など何ごともなく、手術が終了するように看護できることモチベーションにこれからも頑張っていきます。
手術看護だけではなく、滅菌のことや手術部の運営とかもあって、そういうところは認定看護師になって初めて見えた一面です。手術看護は、何ごともなく終われることが目標となります。合併症など何ごともなく、手術が終了するように看護できることモチベーションにこれからも頑張っていきます。
何ごともなく終わるということは、事前にいろんな職種との調整や準備があってできることですね。でも、何ごともなく終わることは成果としてみえづらいですよね。それが部署としてモチベーションになるというのはすごく深いです。
認知症のある人っていう捉え方をしてしまっていたけど、「これまで過ごされてきた生活史とその人らしさ」を大切にすることを学ぶことができました。
そこから、認知症以外の分野でも、誤った認識での安全を優先することではなく、患者さんに焦点をあてたケアを学びました。学んだことをロールモデル実践することで、スタッフが認知症者の行動をみて「なぜそのような行動をしているのだろう」と認知症者の視点に立ち、行動の意味を考えたり、ご本人に確認している姿を見かけるようになりました。
ケアに悩んだ時は、統一したケアができるように看護カンファレンスで話し合う時間が増えました。本人の意思や希望に沿った医療ケアが提供できるように着実にケアの質が向上していると実感しています。
あとは、認定の教育課程で、仲間ができたことがよかったです。自分1人では、不安なことやわからないことがいっぱいあります。だけど、他の病院の仲間にも相談することができるようになりました。
そこから、認知症以外の分野でも、誤った認識での安全を優先することではなく、患者さんに焦点をあてたケアを学びました。学んだことをロールモデル実践することで、スタッフが認知症者の行動をみて「なぜそのような行動をしているのだろう」と認知症者の視点に立ち、行動の意味を考えたり、ご本人に確認している姿を見かけるようになりました。
ケアに悩んだ時は、統一したケアができるように看護カンファレンスで話し合う時間が増えました。本人の意思や希望に沿った医療ケアが提供できるように着実にケアの質が向上していると実感しています。
あとは、認定の教育課程で、仲間ができたことがよかったです。自分1人では、不安なことやわからないことがいっぱいあります。だけど、他の病院の仲間にも相談することができるようになりました。
妊婦さんができないことに焦点をあてるのではなく、なぜそのようになるのかという理由に焦点をあてて考えられるようになりました。
またできることは何で、その力を活かすにはどうしたらよいかと考えられるようになりました。大学院で横の繋がりができ、今もいろんなことを相談しています。些細なことでも、みんなで相談し合えてすごく心強いと思っています。
いろんな仲間に刺激をもらいながら、看護を続けられることもすごくありがたいなと思っています。
またできることは何で、その力を活かすにはどうしたらよいかと考えられるようになりました。大学院で横の繋がりができ、今もいろんなことを相談しています。些細なことでも、みんなで相談し合えてすごく心強いと思っています。
いろんな仲間に刺激をもらいながら、看護を続けられることもすごくありがたいなと思っています。