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みんなのリレーブログ

がんとリハビリテーション

リハビリテーション部 理学療法士の牛田です。普段は痛みセンター・ペインクリニックで慢性の痛み患者さんと関わっています。緩和ケアチーム活動にも参加しています。

今回は「がんリハビリテーション(がんリハ)」についてお話しします。がんリハの概念は比較的新しいです。2000年代後半から、研修会やガイドライン作成が始まったと聞いています。

がんリハは、がんそのものへの治療ではありません。がんで生じる様々な身体的症状(痛み、息苦しさ、疲労感、神経障害、骨・軟部組織障害、リンパ浮腫、嚥下障害…など)、精神的苦痛、日常生活の困難感、人生の質(quality of life; QOL)の低下がターゲットになります。我々は、患者さんが困っている障害を緩和するお手伝いをしています。

では、がんリハでは具体的に何をするのでしょうか。簡単に紹介します。
特定の動作で痛みがでる人や体の麻痺がある人には、動作指導や装具・補助具の検討が有効かもしれません。息苦しさが続いている人には、胸郭ストレッチングや呼吸訓練が有効かもしれません。食事が摂りにくい人には、摂食嚥下療法が有効かもしれません。長期入院で活動が減った人には、軽い全身運動が有効かもしれません。

 ただし、これらの障害は、生活や人生によって形を変えます。
例えば、水泳選手が障害で泳げなくなった場合と、普段水泳を全くしない人が障害で泳げなくなった場合では、意味合いが違います(少し大袈裟ですが…)。
 単純に「〇〇の病気だから、××のリハビリ」では、うまくいきません。がんリハの内容は、患者さんの生活や人生観に寄り添いながら、患者さんとともに検討すべきと考えています。

もしリハビリの希望があれば、近くの医療従事者に相談してみてください。

最後に、少しだけ別のお話をさせて頂きます。

画面を使ってゲームをすれば楽しみながら運動できる!

最近、「コロナ禍で体を動かす機会が減ってしまった」という相談を受けることが多いです。活動の機会が減ると、ストレスも増えてしまいます。
今の時代、インターネットを使えば様々な種類の運動を体験できます。ゲームをしながら運動ができる、というツールもあります。

スマートフォンの歩数計と連動したゲームも出ています。SNSやアプリを使って運動成果を共有すると、離れた場所の人とも一緒に運動が楽しめます。
コロナ禍の今こそ、新しく運動を始めてみませんか?

<参考>
日本癌治療学会 がん診療ガイドライン リハビリテーション

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