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みんなのリレーブログ

はじめての緩和ケア

三重大学医学部附属病院で臨床研修している新家直樹です。

2021年12月緩和ケア科での診療に参加させて頂きましたので、報告いたします。

緩和ケアチームが関係する患者様は次のような症状が多いです。
「痛み」 「眠気」 「だるさ」 「食欲不振」 「おなかの張り」 「吐き気」 
「睡眠リズムの変化」 「気持ちのつらさ」
これらはがん以外でも生じる症状です。

緩和ケアチーム介入のタイミングを考えるために質問票を使うことがあります。
■生活のしやすさに関する質問票
からだの症状(1~4段階)
(4)我慢できない症状がずっとつづいている
(3)我慢できないことがしばしばあり対応してほしい
(2)それほどひどくないが方法があるなら考えてほしい
(1)現在の治療に満足している
(0)症状なし
気持ちのつらさ(0~10段階)
(0) つらさはない (5)中くらいにつらい (10)最高につらい
苦痛は身体のみならず、精神(気持ち)のつらさや人間存在(生死を意識した時の考えや信念)から生じることもあります。

苦痛緩和、環境調整、利用できるサービスの相談など様々なニーズがあります。
同意頂いた方に本格的に関わっていきます。

緩和ケア専門家チームが早期介入する必要性(メリット)としては、次のようなものがあります。
・痛みのコントロールに必要な薬剤や環境調整がスムーズに行える。
 (体質に合わせた薬剤調整が適宜必要です。)
・手続きを早くから行える。
(自宅での療養調整や、緩和ケア病棟の転院には数週間を要する場合もあります。)
・自分の意思を尊重し、周囲に伝える時間が増える。
・一人で抱え込む時間が短くなる。
・家族にも症状が理解してもらいやすくなる。

●痛みなどからだの症状や気持ちのつらさに対応する医師、看護師、心理士、薬剤師
●経済的な問題や、制度の疑問に対応する医療ソーシャルワーカー
 などでチームは構成されています。
病気は人生の一部であり、「その人らしく」生活し、生活の質(Quality of life)向上を目指すことが緩和ケアチームの目標です。

患者様を中心として、主治医の先生方、チームの皆様と日々協力し合いながら活動させて頂きました。1ヵ月の中でかかわらせて頂いた患者様に心から御礼申し上げます。

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