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たか子の部屋

このコラムは緩和ケアチーム医師のつぶやきの場所です。臨床現場で出会った素敵なエピソードを紹介したり、日々の緩和ケアの実践で気づいたこと、考えたことをつづります。

気候変動が大きいとき、心と体を守るために

 今年の春は、例年とは異なる気候に戸惑うことも多かったのではないでしょうか。急な真夏日の到来かと思えば、肌寒い雨の日が続いたり、湿度が高く蒸し暑かったりと、予測が難しい日が多いですね。不安定な気候は、私たちの体にも少なからず影響を与えます。
このような気候変動の激しい時期は、私たちの体も環境の変化に順応しようと、いつも以上にエネルギーを使っています。特に、気温の急激な変化や高い湿度は、自律神経のバランスを乱しやすく、体のだるさ、頭痛、食欲不振、不眠といった症状を引き起こすことがあります。「何となく調子が悪いな」と感じたら、それは体がSOSを出しているサインかもしれません。
 東洋医学では、梅雨から夏にかけての湿度の高い時期は、「脾(ひ)」の働きに注意が必要だと考えられているそうです。「脾」は消化吸収を司り、体の水分代謝にも深く関わる臓器とされ、湿度が高いと「脾」の働きが滞りやすく、むくみや消化不良、食欲不振につながることがあるようです。

 このような気候に適応し、心と体を守るためには、いくつかの工夫が必要です。
まず、体温調節を意識した服装を心がけたいですね。食事で体の中から整えることも大事な習慣と考えます。栄養士さんに相談してみたところ、冷たいものの摂りすぎは胃腸に負担をかけ、体を冷やしてしまうこと、できるだけ温かいものや常温のものを摂るようにし、胃腸に優しい食事を心がけることを教えてもらいました。旬の夏野菜は、体を冷やしたり、水分やビタミンを補給したりする効果が期待できるそうです。
 そして、最も大切なのは、無理をせず、心と体を休ませることです。不安定な気候の中では、知らず知らずのうちに体が疲労を蓄積しています。質の良い睡眠を確保し、日中も休憩をこまめにとりましょう。気分転換に軽いストレッチや深呼吸を取り入れるだけでも、心身のリラックスに繋がります。雨の日でも、窓の外を眺めたり、好きな音楽を聴いたり、読書をしたりと、ご自身がリラックスできる時間を見つけてください。

変わりゆく季節だからこそ、ご自身の心と体の声に耳を傾け、無理なく健やかに過ごしていただけたらと思います。

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