ドクターヘリとは?

三重大学医学部附属病院 救命救急センター長 今井 寛

ごあいさつ

ドクターヘリとは、医療用モニター、人工呼吸器や除細動器など、救急医療に必要な医療機器等を搭載した救急医療専用のヘリコプターで、医師や看護師が搭乗します。
このドクターヘリにより、生命の危険がある患者さんに救急現場から初期治療が始められ、速やかに医療機関へ搬送することが可能となり、救命率の向上や後遺症の軽減などの効果が期待されます。
その機動性と迅速性から「空飛ぶ救急治療室」、「究極の救急医療のデリバリーシステム」とも呼ばれています。
1999年、ドクターヘリ試行的事業が開始されました。日本に初めて正式にドクターヘリが配備されたのは2001年4月のことでした。2007年、救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法(ドクターヘリ法)が制定され全国に広がるなか、2009年の三重県医療審議会救急医療部門で、三重県は南北に180km、東西にも100km以上、離島もあり、救急医療体制に係る診療科は全国平均を下回っており、医療資源の不足が大きな問題で医療の集約化を図る目的でドクターヘリ導入すべきであり、その当時ドクターヘリの必要性は年間1500以上にものぼると見積もられました。そしてついに2012年2月1日より三重県でもドクターヘリ運航開始されました。その後は年々出動回数も増え、2012年度には272件でしたが、2015年度には423件となっております。
夜間や天候不良な際には運航できないのですが、多くの県民の命がドクターヘリによって助かっております。病院ばかりでなく、行政、消防とも協力してこの事業をすすめなければなりません。
今後さらなる救命に向けて県全体で医療を支える大きな力ですので県民の皆様には御理解御協力お願いいたします。

安全な運航のために(地域の皆様へ)

ヘリコプターの特性上、運航及び離着陸の際には吹き下ろしの風や、騒音、砂塵などが発生します。このため、県民の皆様には大変ご迷惑をおかけする場合もありますが、人命救助というドクターヘリの重要な役割をご理解いただき、安全かつ円滑な運航にご協力下さい。

  1. 離着陸時に吹き下ろしの強い風(ダウンウォッシュ)が発生しますので、
    消防職員の誘導に従いヘリコプターが離着陸する場所から速やかに退避して下さい。
  2. ヘリコプターの離着陸の際は、風圧や騒音が発生します。
    吹き飛ばされやすいものは室内にしまって窓を閉めて下さい。
    ベビーカー等は飛ばされないようにしっかりと保持して下さい。
  3. ヘリコプターが着陸後、直ちに救命治療を行いますので、近寄らないでください。