小児のがん

ユーイング肉腫

ユーイング肉腫は、骨(まれに軟部組織)に発生する小児がんの一種で、小児に発生する骨腫瘍では骨肉腫に次いで2番目に多いものです。最近の染色体分析や分子生物学の進歩によって、ユーイング肉腫、未分化外胚葉腫瘍(PNET)、アスキン腫瘍(胸壁に原発するPNET)には、共通の染色体異常があることが明らかになりました。これらは同じ病気の仲間としてユーイング肉腫ファミリー腫瘍(ESFT)と呼ばれるようになっています。

発症年齢

全体の約半数が10歳から20歳に集中しています。また、70%の患者は20歳までに発症し、30歳以上の患者はまれです。

症状

病巣部位の間欠的な痛みや腫れが特徴です。間欠的な痛みの場合や、骨盤などに発症し、かなり大きくならないと触れにくい場合は、診断が遅れることがあります。また、発熱を伴うこともあります。

治療

手術・化学療法・放射線治療からなる集学的治療が必要です。三重大学医学部附属病院の小児科では、整形外科や放射線治療科と緊密に連携し、患者さんに最適な治療を提供できるように努めています。また、日本小児がん研究グループ(Japan Children’s Cancer Group; JCCG)のユーイング肉腫委員会との連携のもと、小児がんを治療している全国の施設と協力して、世界標準のユーイング肉腫治療を提供しています。