三重大学総合がん治療センター症例検討会「Tumor Board」

高度なチーム医療をめざして

症例検討会の様子

三重大学医学部附属病院は創立以来三重県内の癌診療の中心的役割を担ってきましたが、がん対策基本法の施行により平成19年1月に都道府県のがん拠点病院に指定され、これにより名実ともに三重県のがん治療の中心施設としての責任を果たすことになりました。
しかし、がん医療現場においては、がんの告知、抗がん剤治療による副作用への対応、終末期医療、家族ケアなどその業務内容は多岐にわたり、医師のみでの対応は困難となってきており、がん医療に携わる看護師、診療放射線技師、薬剤師等のコメディカルスタッフと一体となったチーム医療の提供が重要となっています。
そこで、癌症例に対し、三重大学チームとして取り組むための議論の場としての「三重大学総合がん治療センターTumor Board」の開催が必要となりました。

運営方法は、各診療科、コメディカルより構成される「三重大学総合がん治療センターTumor Board世話人会」が主体として運営し、司会は各科持ち回りとし、各月第2週の水曜日に三重大学医学部臨床第二講義室にて定期開催しています。平成19年5月第1回Tumor Boardを開催し、毎回100人程度の参加者のもと、2012年10月現在では、52回の開催を数え、90例の症例を検討し、実際の癌診療に大きな実績を上げるに至っています。
Tumor Boardは、三重大学が”がん拠点病院”として位置づけられるためには極めて重要な活動となっています。職種、診療科にとらわれずに議論することを目標にしていますので、興味のある方はふるってご参集ください。他病院の方々も大歓迎です!!

Tumor Boardの目的

  1. 様々な問題点が複数科にわたり、集学的治療が必要となる症例を診療科横断的に検討することにより、治療の効率化をはかること
  2. 診断に難渋する症例について病理医や画像診断医を交えて検討すること
  3. 終末医療の治療方針について診療科の枠を超えて協議すること
  4. 教育的目的:
    1. 職種、診療科にとらわれずに議論することにより”がん”に対する理解を深める
    2. 医学部学生(医学科および看護学科)が”がん”に対する理解を深める