皮膚

有棘細胞がん

基底細胞がんに次いで多く発生する皮膚がんです。紫外線、慢性炎症、ウィルス、放射線、ヤケドの痕が発生に関係すると言われています。特に紫外線の刺激により生じる日光角化症は有棘細胞がんの前駆症として注意が必要です。

症状

皮膚から盛り上がった紅色の腫瘤を呈します。表面はイボ状であったり、潰瘍状であったりします。表面が潰瘍状になると出血をしたり、表面に細菌が付着繁殖することにより悪臭を発する場合があります。

治療

原則としては外科切除となりますが、進行具合により異なってきます。
大きさが2cm以下の場合は腫瘍境界から6mm程度のゆとりを設けて切除することが一般的です。2cmを超える場合は所属リンパ節転移を引き起こす危険性が生じるとされ、リンパ節に対する対応も必要となります。診察、画像検査(CTなど)で転移が明らかでない場合はセンチネルリンパ節生検を行います。リンパ節転移を伴っている場合には所属リンパ節郭清も行います。
放射線治療は手術治療に比べて成績は落ちますが、手術困難な事例(高齢、抗血栓剤使用中、十分なゆとりを確保できない部位に位置している場合など)や術後再発予防目的に行われます。既に遠隔転移(臓器転移)が起こってしまっている場合、根治は難しく手術、放射線、薬物治療を組み合わせた集学的治療で対応します。

センチネルリンパ節生検とは
皮膚がんが転移する場合、まずリンパ流に乗ってリンパ節に転移をすることが多いです。皮膚のできもの(原発巣)とリンパ節はリンパ管で繋がっています。この原発巣からリンパ管を介して直接繋がっているリンパ節をセンチネルリンパ節と言います。
皮膚がんのリンパ節転移はセンチネルリンパ節から始まることが多く、このリンパ節を直接取り出して顕微鏡検査をすることをセンチネルリンパ節生検と言い、画像検査などでは判別できない微小なリンパ節転移がわかります。これにより、より正確な腫瘍の進行具合を判断することができ、過不足無く治療を行うことができます。