小児のがん

神経芽腫

小児の固形腫瘍では脳腫瘍に次いで多い腫瘍です。
神経芽腫は、交感神経節や副腎髄質などから発生します。
交感神経節は、脊椎に沿ってあり、頭蓋骨の底部から尾骨まで縦に連なる神経線維の束(交感神経幹)の中に並んでいる交感神経の集まりです。
内臓の働きを調節したり、血管を収縮させたりする自律神経の1つです。副腎髄質は、左右の腎臓の上にある副腎の中心部で、アドレナリンやノルアドレナリンという物質を分泌して、体のストレス反応などの調節を行っています。

予後

神経芽腫には、悪性度の高いものや、自然に小さくなっていくもの(自然退縮)など、さまざまな種類があります。1歳半を超える年長の患者さんの約70%は、診断時に転移がみられ予後が不良ですが、1歳半未満の乳児では、進行期でも予後が良好であることが多く、一部の腫瘍では自然退縮することも知られています。

治療

手術・化学療法・放射線治療からなる集学的治療が必要です。三重大学医学部附属病院の小児科では、小児外科や放射線治療科と緊密に連携し、患者さんに最適な治療を提供できるように努めています。また、日本小児がん研究グループ(Japan Children’s Cancer Group; JCCG)の神経芽腫委員会に所属し、小児がんを治療している全国の施設と協力して、世界標準の神経芽腫治療を提供しています。