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入院中の患者さんとご家族へのサポート

小児科病棟には中高生専用のTeen's Roomと呼ばれる部屋があります。ここでは、同年代の仲間が集い、学校の休み時間のように賑やかにおしゃべりしたり、または静かに語り合ったりしています。
また、中高生を対象とした『Teens会』も月に1,2回行っています。内容は、座談会、映画やアニメの上映会、ゲーム大会、勉強会、医療者へ質問大会など盛りだくさんです。これらは、入院中の中・高生が思春期らしい心理社会的発達を遂げること、また闘病生活の心理的苦痛を和らげることを目的としています。

患児が入院していることで、兄弟姉妹は両親や患児と離れている時間が多くなり、疎外感のため、学校生活や普段の生活に支障が出てしまうケースも少なくありません。この『きょうだいの日』では、患者さんの兄弟姉妹に病院に来てもらい、病院ではどんなことをするのか看護師や先生達から教えてもらいます。また、家族でクッキーづくりなどをすることもあります。このイベントを通して、兄弟姉妹が家族と過ごし、また自分達が主役となれる時間を提供することで、普段感じているかもしれない疎外感などのネガティブな気持ちを少しでも解消し、家族と楽しい時間を共有する場として提供しています。

年に2回、夏と秋に小児がん経験者と、そのご家族を対象としたキャンプを2006年より毎年行っています。学生ボランティアを中心に医療スタッフ、院内学級の先生、協賛企業の職員の方で運営し、参加している皆さんに楽しんでもらえるよう、キャンプを盛り上げています。主に、レクリエーションや経験者交流会、記念品作成、キャンプファイヤーなどを行います。このキャンプは、以下の四つのことを目的としています。
- 小児がん経験者に対する地域での社会心理的支援を充実させる。
- 経験者、親、兄弟姉妹、医療者、学生ボランティアがともに"病気と健康"について考える機会を提供する。
- 経験者と家族が病気のために失っていた前向きな気持ちを回復させることができる場を提供する。
- 経験者とは異なる辛さを経験してきた親や兄弟姉妹が、他の家族との交流を通して経験の共有や新しい気づきを得ることで、家族の役割を考える機会を提供する。
実際に参加した人からの声:
経験者: | 健康管理の意識を高めるとともに、世代を超えて闘病経験を共有することができた。 |
家族: | 健康に関する不安や心配について相談し、理解を深めることで、前向きな気持ちを持つことができた。 |
この「おひさま・どんぐりキャンプ」は、患者・経験者にとって、互いの交流や家族・ボランティアと触れ合い、多くのことを経験し考える機会となっています。

『ホスピタル・クラウンとは、クラウン(道化師)が病院で活動することです。クラウンは日本では「ピエロ」と言う名前で親しまれていますが、本当はピエロというのは「クラウン(道化師)」の中の様々ある役柄の一つの名前に過ぎないのです。
ピエロと聞いて頭に浮かぶ赤い鼻のカラフルな衣装をつけた道化師は「クラウン」と言います。クラウンは普段サーカスやステージ、遊園地などでパフォーマンスをしています。そんなクラウンが、病院へ行って入院中の子ども達に対してパフォーマンスをする活動がホスピタル・クラウンです。』(ホスピタル・クラウンホームページより抜粋)
現在、三重大学では月に1回、3名のピエロに来てもらい、子ども達やその親御さんにマジックを披露したり、バルーンアートを行ってもらったりしています。子ども達も毎回楽しみにしています。

『ひだまりの会』は、我が子が小児がんを患い、同じ病院で闘病した経験を持つ親御さん達が集い、現在入院されている患者・家族へサポートを提供しています。年に4回、「味覚会」と呼ばれる会を開催し、その季節の旬の食材を使った料理をプレイルームで振舞っています。いつもは病院食を食べない子どもでも、この時だけは全部食べるという子どもが沢山います。また、同じ経験者として、現在子どもが入院中のお母さん達の相談にも乗ったりもしています。

『ぞくよんは、三重大学医学部附属病院の小児病棟に入院中の患者さんや、そのご家族に遊びを提供している、三重大学の学生ボランティアです。この遊びを提供する機会を"プレイタイム"と呼び、小児病棟のプレイルームをお借りして週1回行っています。また、この活動は病院生活で人と会うことの少ない発達期の子供たちにとって、心身両面の発達を手助けする良い機会となっています。』(ぞくよんホームページより抜粋)

『ひとと樹は、同じ病院で闘病し、現在も様々な悩みを抱えながら生活している経験者の、経験者による、経験者のための集まりです。ひとと樹は、経験者の不安や悩みについて相談・学習できる場を提供すると共に、長期フォローアップの一環である「おひさまキャンプ」の参加・支援を目的としています。
厳しい経験や様々な不安を乗り越えてきた強さと勇気は、私たちの生きる糧となります。そして、それを基に病気と闘っている子どもたちのサポートを担うことは、私たちの大切な役割ではないでしょうか。』(ひとと樹ホームページより抜粋)
「ひとと樹」のメンバーには上記活動の他、Teens会にも参加してもらい、今入院している患児へ経験者の立場から相談に乗ったり、はたまたお兄ちゃん、お姉ちゃんとして遊んでもらっています。