臨床研究

骨髄・末梢血塗抹標本の形態学的検査の標準化および
臨床的有用性の検討

当院に通院および入院中の患者様へ

骨髄・末梢血塗抹標本による形態学的検査は貧血や感染症および造血器腫瘍の診断や治療経過の評価に重要な検査です。

現在、臨床検査は同一の試料(検体や患者)であればどの施設で測定しても同じ結果が得られる様にする作業が進んでおり、これを“標準化”と言います。しかし、骨髄・末梢血塗抹標本の形態学的検査は、顕微鏡を用いて技師が細胞を目で見て鑑別しているため、技師の経験や知識に大きく影響され標準化が遅れています。当院検査部では、形態学的検査においても標準化を進めていきたいと考えています。我々は、各学会の標準化案を検証し当院の骨髄・末梢血塗抹標本の形態学的検査の標準化を図ると伴に、形態所見の臨床的意義を具体的なデータを元に再構築することを計画しました。この研究は、一般診療のために採取され、検査部に提出された患者検体(抗凝固剤入り血液でゲノム情報はない)で測定が終了した残存検体のみを本研究の検討用試料とします。従って、氏名、IDを利用することもありません。また、患者さまから新たに採血することもありません。患者様におかれましては研究の主旨をご理解いただき、本研究へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。

  1. 研究の概要について

    研究課題:骨髄・末梢血塗抹標本の形態学的検査の標準化および臨床的有用性の検討
    研究期間:倫理審査委員会承認後 ~ 2019年12月27日まで
    研究責任者:三重大学医学部附属病院 中央検査部 下仮屋 雄二

  2. 研究の意義・目的

    基本的な検討内容としては、院内の骨髄・末梢血標本の形態学的検査の標準化を進めるのと伴に形態所見の臨床的有用性を検討します。また、医療従事者の教育用としての教材を作製します。

  3. 研究の方法

    一般診療のために採取した骨髄および末梢血の検査後の残存検体を用いて塗抹標本を作製し、必要な染色を施したものを顕微鏡で観察します。この観察により得られた形態的な情報を疾患ごとにまとめ臨床的意義を検討します。また、作製した標本は医療従事者の教育のために保存します。

  4. 対象

    本研究の対象となる患者さまは、倫理審査委員会承認後から2019年12月27日までの間に骨髄および血液検査を受けられた患者さまです。

  5. 予測される結果(利益・不利益)について

    参加いただいた場合の利益・不利益はありません。

  6. この研究による健康被害について

    一般診療で採取した残存検体を用いるため、この研究が原因でおこる健康被害はありません。

  7. 研究への参加とその撤回について

    この研究への対象となることを希望されない方や参加を撤回される方は、下記の連絡先までご連絡ください。

  8. 個人情報の保護について

    本研究は、個人情報漏洩を防ぐため、全ての試料は年齢、性別、主要な疾患名、治療法、投薬歴、測定値の情報のみ抽出し、連結可能匿名化を行います。個人を特定できる情報は削除します。 従って、本研究の実施過程および結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さまを特定できる情報は一切含まれません。

  9. 研究成果の公表について

    この研究成果は、学会発表および学術論文として公表される予定です。

  10. 費用について

    この研究費用は研究費で賄われます。また、この研究への参加謝礼はありません。

  11. お問い合わせ等の連絡

    三重大学医学部附属病院 中央検査部 下仮屋 雄二
    〒514-8507 三重県津市江戸橋2丁目174
    電話:059-232-1111(5381)

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