次世代のがんプロフェッショナル養成プラン

わが国において、がんは1981年以来40年以上にわたり死因の第1位であり、依然として国民の生命と健康における喫緊の課題です。近年のがん診断法や治療法の開発と進歩により、生存率は向上しているものの未だ満足できるものではありません。がん治療は新しい治療法が開発されており、治療法自体が複雑化する一方、高齢のがん患者だけではなく、様々な合併症を有するがん患者にどのように治療を提供すべきかという課題に直面しています。

一方、社会構造の変化も大きく、医療従事者の数自体も減少することが予想され、高度化・多様化する医療のなかで、どのように効率的かつ効果的に適切な医療を提供するかを真剣に考える必要があります。また、わが国におけるデジタル社会基盤の遅れは深刻であり、ICTや遠隔医療などを活用した医療提供体制も早急に整備する必要があり、がん領域のみならず、非がん領域の医療技術や最先端の異分野との学際的連携が必須です。

本事業では、京都大学、三重大学、滋賀医科大学、大阪医科薬科大学、京都薬科大学の5大学が連携し、各大学が蓄積してきた教育、研究、診療に関わる人材、インフラ、そして海外の先進施設との連携を基礎に、新たに顕在化してきた課題や社会のニーズに対応すべく、高度化・多様化するがん医療を担う専門的医療人育成に取り組みます。

三重大学各コース組織図

 本学が開設する教育プログラムコースは、「正規課程」「インテンシブコース」があり、各コースの概要は次のとおりです。

正規課程
個別化医療の新たな治療法開発および免疫療法を担う腫瘍内科医養成コース
痛みの治療およびがん関連学際領域に対応し地域に定着する放射線治療医養成コース
婦人科腫瘍におけるゲノム医療従事者養成コース
小児がん治療専門医養成コース
がん免疫療法や個別化医療に精通した薬剤師養成コース
がん患者のQOL向上及び終末期医療を担う看護師養成コース

インテンシブコース
ゲノム情報を活用したがん診療に従事する人材養成コース
緩和医療専門医・認定医養成コース
新たな治療法の開発と薬物療法マネジメントに貢献する5大学連携薬剤師養成コース