ネットワークの概要

地方自治体の寄附による地域医療学講座や三重県の地域医療再生事業による教育環境の整備など

後で詳細する家庭医療の研究、教育、診療は、大学内に存在する大学院医学系研究科臨床医学系講座家庭医療学分野や地域医療学講座、または医学部附属病院のみでは行うことが困難で、そのために当ネットワークでは大学外の中小病院にても、教育や研究を行っております。ただ、病院の医師にその機能を依頼するのは診療に追われる彼らに負担がかかることも予想され、そのために地方自治体に三重大学に寄附をお願いして、各々の自治体の公立病院に各地域の寄附講座を設置しております。すなわち亀山市の寄附による「亀山地域医療学講座(Department of Community Medicine, Kameyama)」、名張市の寄附による「名張地域医療学講座(Department of Community Medicine, Nabari)」です。さらに三重県全域の総合診療の教育・研修や研究に当たるために、三重県の寄附による「三重県総合診療地域医療学講座(Department of Family and Community Medicine, Mie)」も設立されています。これらの講座では、亀山地域医療講座の2名の教員を亀山市立医療センターに派遣、名張地域医療学講座の2名の教員を名張市立医療センターに派遣、三重県総合診療地域医療学講座の3名の教員を三重県立一志病院に派遣して、総合診療の教育と研究を行っております。三重県立一志病院には、地域で総合診療医とともに活動する多職種医療従事者を育成するために、またはそれに係る研究を実施するために、「プライマリ・ケアセンター」が設置されています。現在、プライマリ・ケアナースの育成のために、看護師が配置されています。今後の発展が期待されております。

今後、同様寄附講座が三重県内にさらに増える可能性があり、当教室からもさらに多くの教員を派遣する可能性があります。

これらの地域にある教育と研究の拠点には、三重県からの地域医療再生事業による「地域家庭医育成拠点形成事業」によって、学生や研修医の宿泊施設、カンファレンスルーム、さらには教育のためのさまざまな機器、器具が用意されており、各地域での活動が行いやすくなっております。1億円弱の予算を使用させていただきました。

これらの自治体の寄附による地域医療学講座のほかに、津市内の高茶屋診療所や津ファミリークリニックにも当教室の総合診療医を派遣して、診療所タイプの教育や研究を行っております。さらに三重県立一志病院近隣の診療所もこのような施設にするべく、開発中です。この診療所の支援は院長が引退したために起こる医療過疎を解消する目的だけではなく、そこを家庭医療の教育と研究の拠点にする目的もあります。

未来医療研究人材育成拠点形成事業と地域医療学講座

平成25年度から5年間、リサーチマインドを持った総合診療医を育成するために未来医療研究人材育成拠点形成事業が始まることとなり、三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座家庭医療学分野・医学部附属病院総合診療科は「三重地域総合診療ネットワークの全国・世界発信」の事業で採択されました。事業費は総額3億円です。この事業の目的は、三重大学に総合診療の卒前医学教育と卒後臨床研修における教育と指導ができる人材と総合診療にかかわる研究を実行できる家庭医を育成するシステムを構築することです。この目的のために、三重大学内に「地域医療学講座(Department of Education and Research in Family and Community Medicine)」を構築しました。教員は、教育専門の医師、統計専門の非医師、行動科学専門の非医師が常勤教員として配置されています。そのほか、疫学専門の医師、質的研究専門の医師や非医師、その他全国の有名な統計、疫学、教育で有名な研究者等が、非常勤教員として教育に当たっています。

地域医療学講座におけるコースには以下のものがあります。

総合診療のためのPhDコース

医師のみならず他職種の医療従事者等も対象に、総合診療にかかわる「研究」を実施できる基盤的能力と実際に研究を行う能力を育成するための4年間の大学院博士課程のコースです。生物統計学(週1回)、疫学I(週1回)、疫学II(週1回)などの講義受講が必修です。その後、総合診療にかかわるテーマを決めて、指導教員のもと、英文論文につながる研究を実施します。現在進行している研究の内容は口述します。

アカデミックGP教育コース

医師のみならず他職種の医療従事者等も対象に、総合診療にかかわる「教育」(卒前医学教育と卒後臨床研修を含む)を実施できる基盤的能力と実際に教育や指導を行う能力を育成するための4年間の大学院博士課程のコースです。生物統計学(週1回)、疫学I(週1回)、医学教育学(月2回程度)などの講義受講が必修です。その後、教育にかかわるテーマを決めて、指導教員のもと、英文論文につながる研究を実施します。

総合診療のためのMasterコース

医師を対象に、総合診療にかかわる「研究」および「研究」を実施できる基盤的能力と実際にある程度医学教育や臨床指導を効率的に行うことができる能力を育成するための2年間の大学院修士課程のコースです。基礎生物統計学(週1回)、基礎疫学I(週1回)、基礎疫学II(週1回)、医学教育学総論(月2回程度)などの講義受講が必修です。その後、総合診療にかかわる研究または総合診療教育にかかわる研究を実施してもらいます。

地域での総合診療指導医養成セミナー

地域で診療している臨床医を対象に、総合診療にかかわる卒前医学教育や卒後臨床研修を実施できる能力を短期間で付与するコースです。

多職種協働のチーム医療プログラム

医学生や看護、薬学、歯科、臨床福祉、臨床心理などの各学部の学生、さらに医師やさまざまな多職種がチーム医療が行えるように、教育活動を受けます。現在、卒前の学生向けの三重IPEが年2-3回、卒後を対象としたさまざまな教育も実施されています。そしてこれらの事業は、チーム医療を実際に行うためのカリキュラム開発、すなわちその目標(コンピテンス)、方略、そして評価方法の開発も目的としています。

海外総合診療医チャレンジコース

家庭医療・総合診療の能力をもった医師を対象に、海外でその能力を発揮してもらいます。これはアジア大洋州の一員の日本が、家庭医療の分野でも、これらの国々に貢献できることを目的としています。現在、上海やインドなどがその活動場所となっていますが、さらにほかのアジア諸国(インドネシア、ミャンマー、タイ王国など)にも拠点を形成しつつあります。オーストラリアやアメリカ合衆国でのチャレンジも実際に行われておりますが、対象は家庭医療の能力の非常に高い医師に限られています。家庭医療学教室にかかわる4人の医師が、アメリカの家庭医療の研修を修了しています。

さらにこのコースの一環として海外、特にアジア大洋州の国々の大学に関係している家庭医を対象として、総合診療のためのPhDコースやMasterコースにて研究能力を向上することを全面的に支援しております。

卒前医学教育

教育は、卒前医学教育と初期研修、後期研修、そして生涯教育を主に、積極的に行っております。

卒前医学教育では、まず、1年生が1年間を通して医療を患者の立場から体験する「医療と社会」があげられます。大学病院のみならず、三重県各地域の病院や診療所、さらには介護関連施設にて、医療を患者の側から眺め、医療を実感してもらっています。

次に3年生・4年生の総合診療の研究室研修も毎年多くの学生が参加してくれています。これと同じく、将来MD-PhDコースになる可能性がある1年生~6年生の新医学専攻コースにおいても多くの学生が参加してくれております。この学生たちは単に研究のみならず総合診療のさまざまな事業に参画してくれています。

4年生における基本的臨床技能教育においては、医療面接、プレゼンテーション、診療録(カルテ)記載などの基本的技能を教育しています。特に医療面接の教育においては、その方略のなかで実際の患者のように演じることが得きる模擬患者をNPO法人(三重模擬患者の会)を設立し養成しており、学生の教育に大きく寄与しております。現在、文部科学省の下部機関である共用試験実施評価機構が各大学が行っている基本的臨床技能教育の最後に共用試験CBTとOSCEの試験を行っています。当教室の教授はこの医療面接OSCEの責任者を務めるなど共用試験に深くかかわり、現在、三重大学の学生は医療面接、その他の基本的臨床技能において非常に優秀な評価を収めております。

4年生の冬から全5年生の期間、三重大学総合診療ネットワークでは臨床実習(いわゆるクリニカルクラークシップ)を行っています。臨床実習は全国では非常に珍しく、必修であり、かつ4週間の家庭医療学・総合診療科クリニカルクラークシップ、そして6年生の選択臨床実習(4週間)などが主なものです。ここでの総合診療卒前医学教育は、全国の総合診療科の総合診療教育のモデルとなりつつあります。研修の場所の大半は地方自治体からの寄附による地域医療学講座のある医療施設、または本ネットワークの関連施設である高茶屋診療所や津ファミリークリニックなどの診療所です。地域医療学講座のある施設では教員らが効果的に関与しておりますし、両診療所においても日本やアメリカ合衆国で優れた家庭医療のトレーニングを受けた指導医が教育に当たっております。エレクティブ(選択臨床実習)においても総合診療は多くの学生に常に選択してもらっております。

また、6年生はエレクティブにおいて海外臨床研修を行う機会が与えられておりますが、当教室はかねてよりオーストラリアのフリンダース大学と強い連携を持っており毎年1名~3名の医学生が4週間の間、総合診療の研修を受けております。フリンダース大学の地域医療教育は世界的にも有名で、学生のみならず、教員レベルでの交流が現在行われており、今後の発展が期待されます。

卒後臨床研修

初期臨床研修においては、三重大学医学部附属病院総合診療科では、すべての三重大学初期研修医は1か月間の総合診療科の研修が必修となっております。また、地方自治体による寄附講座のある医療施設(三重県立一志病院、亀山市立医療センター、名張市立病院など)においても、三重大学や県内の初期研修プログラムのみならず、掖済会病院(愛知県)、市立堺病院(大阪)など県外からも初期研修医を地域医療の研修医として受け入れております。

総合診療にかかわる後期研修については、2014年以前に医学部・医科大を卒業した医師を対象とした「三重大学家庭医療学プログラム(ver2)」、2015年以降に卒業した医師を対象とした「三重大学総合診療専門研修プログラム(ver3)」があります。「三重大学家庭医療学プログラム(ver2)」を終了した後期研修医は、現在、我々のフィールドの学術団体で会員数が1万人を超える日本プライマリ・ケア連合学会が審査し認定しています。さらにこの学会は、研修プログラムをも審査して認定しており、この認定が得られないと研修医の募集ができないようになっております。三重大学家庭医療学後期研修プログラムはこの認定を全国で初めて得たことで有名です。当教室の教授がこの学会のプログラム認定委員会の委員長であったことから、全国のモデルと言ってよいプログラムとなっております。学会からのサイトビジットにおいても非常に高く評価されました。小規模病院(三重県立一志病院)や診療所(高茶屋診療所、津ファミリークリニック)においての研修(総合診療研修Iと呼ばれます)、中規模病院(名張市立病院、亀山市立医療センター)での研修(総合診療研修IIと呼ばれます)、内科研修(三重県内のさまざまな日本内科学会の認定教育施設)、小児科研修(名張市立病院小児科や三重県立三重病院小児科)、救急研修(三重大学医学部附属病院の救急科)が必修で、その他に選択研修も用意されています。さまざまな規模と立地、優れた指導医、豊富な研修のための資源、そしてアカデミックなファクターもあることが、このプログラムの特徴です。プログラムの参加には、試験に合格する必要があり、この審査はかなり高い基準が設定されています。また、後期研修の修了においても、筆記試験、実技試験(OSCE)のほか、ポートフォリオ評価、多職種医療従事者からの評価(360評価)、指導医による評価など、研修修了証を手にするにはかなり高いハードルがあります。

「三重大学総合診療専門研修プログラム(ver3)」は、日本専門医機構の認定するプログラムとしては、三重県に一つしか存在しない総合診療医になるための後期研修です。「三重大学家庭医療学プログラム(ver2)」に比して、参加する病院や診療所は数倍となる、全県的な取り組みです。

研修施設一覧

県立一志病院

名張市立病院

亀山市立医療センター

桑名市総合医療センター

ヨナハ総合病院

四日市羽津医療センター

三重県立総合医療センター

富田浜病院 

みたき総合病院

鈴鹿中央総合病院

鈴鹿回生病院

三重大学附属病院

三重中央医療センター

津生協病院

武内病院

遠山病院

三重病院

済生会松阪総合病院

市立伊勢総合病院

伊勢赤十字病院

田中病院

県立志摩病院

志摩市民病院

町立南伊勢病院

大台厚生病院

尾鷲総合病院

紀南病院

その他

高茶屋診療所

津ファミリークリニック

南島メディカルセンター

刀根クリニック

西岡記念セントラルクリニック

鳥羽市立長岡診療所

その他

さまざまなフェロー

「三重大学家庭医療学プログラム(ver2)」や「三重大学総合診療専門研修プログラム(ver3)」を修了すると、下記の「総合診療のためのPhDコース」、「アカデミックGP教育コース」、「総合診療のためのMasterコース」のほか、いくつかのフェローに参加することができます。

「家族システム・心理社会医学フェロー」が平成27年度から開始、さらに平成28年度から、「プライマリ・ケア感染症フェロー」や「在宅緩和医療フェロー」が始まっております。さらに老年医学フェローやスポーツ医学フェローなども計画されております。

家庭医療にかかわる研究

研究は、地域住民が健康で満足できる生活を過ごすために必要な効率的な医療・保健、福祉システムを明らかにする研究、特に住民や医師にとって望まれる在宅医療にかかわる研究、地域住民が健康でいるために望まれるライフスタイルを明らかにする研究、そして総合診療を効果的に学生に教育、また研修医に指導をするためのカリキュラムを明らかにする研究など90以上の研究事業が挙げられます。

その成果はアジア大洋州をはじめ広く海外に発信されアジア大洋州における家庭医療研究の重要な拠点となりつつあります。査読のある英文学術誌に年間10の研究が掲載され、総合診療の国際学会であるWONCAには、当教室から非常に多くの発表がされており、全国的にも世界的にも有名になっております。

また、当教室の教授が、アジア大洋州WONCAの学術誌Asia Pacific Family Medicine誌の編集長、また日本プライマリ・ケア連合学会の学術誌の編集長をしており、このことも当教室の研究が促進される要因となっております。

当教室の診療

フリーアクセスが担保されており、患者さんが診療所のみならず、中小病院や大学病院にすら受診する日本の制度では、プライマリ・ケア機能は診療所のみならず、さまざまな病院にても必要とされています。したがって総合診療は日本のいかなる病院でも必要となっています。しかも国民皆保険制度である日本ですので、多くの人が医療へのアクセスが可能であり、その数は多くなるでしょう。したがって当教室にかかわる医師は診療所、小規模病院、中規模病院、そして大規模病院のすべてで診療を行っております。すなわち、三重大学医学部附属病院総合診療科をはじめ、名張地域医療学講座のある名張市立病院や亀山地域医療学講座のある亀山市立医療センターなどの中規模病院、三重県総合診療地域医療学講座のある三重県立一志病院のような小規模病院、また、県南にある志摩市立病院、さらに関連している高茶屋診療所や津ファミリークリニックなどの診療所において活動しております。

高齢化率が高まり、1人の高齢者の持つ疾患数も多くなりますが、その疾患を各々の専門診療科に受診するのでは、医師不足がさらに拍車がかかります。したがって総合診療医には包括性のある医療が求められています。

また、病床数が制限ざれているにもかかわらず、ほとんどの高齢者が病院での看取りを希望する昨今、もうすでに永眠する場所が不足している状態になっています。また、行政が慢性患者の入院すべき療養型の病床数を削減しつつある現在、または急性期病院も経済効率を考えて在院日数を短くしようとするので、さらに病院に患者が入院しにくくなっています。これを解消するために介護関連施設を含めた在宅医療の重要性が高まっています。そのために総合診療医は多職種の医療関係者がよい連携を取って効率的な在宅医療を行う必要があるでしょう。各地域の当ネットワーク下の病院や診療所においても在宅医療を支援する、または実施するぐらいに在宅医療に関与しています。

医師の近接性も重要でこれが遠くなると不必要な時間外受診、救急車の利用、そして入院が増加することが我々の調査で明らかになっています。したがって遠くの大規模病院、急性期病院にすべての急性期疾患のケアを担当させることによってさらに悪循環が回り出す可能性があります。住民から近くに位置する総合診療医がその役割をすることが重要です。三重県立一志病院が2次救急輪番制に入らないのは、24時間365日住民の近くで医療の窓口になる必要を認識しているからです。

さて我々は診療所を教育と研究の場として持っています。診療所と言っても10年後20年後に、医療が大規模病院と診療所の二極化しても耐えられるぐらいに、医療の最前線でほとんどの疾患を受け止められことを目指しております。医療のすべての能力が備わっている診療所です。いわゆる内科や整形外科、皮膚科診療、そして1次救急医療のみならず、在宅医療や小児ケアも的確に実行でき、さらにはパップスメアぐらいの産婦人科手技もできるように考えております。特に在宅医療の診療や教育、研究は当ネットワークの重要な事項となっております。

大学における総合診療は、疾患自体も診断が難しく、また患者様が症状に対して抱いている内容や期待もかなり我々医師が考えているものと異なっているため、非常に高度な臨床能力が要求されます。その点で、ここでの外来は家庭医療からはやや離れた感がありますが、教育的にはとても大切と思われます。

海外との連携

海外においては、前に述べたフリンダース大学のみならず、さまざまな国の総合診療医と連携があります。これは、家庭医療の教育や研究を共有して、お互いの発展に寄与させる狙いがあります。医学生、研修医、教員のすべてのレベルで、交流が行われています。これまでは、アメリカ合衆国(ミシガン州立大学やテネシー大学など)やオーストラリア(シドニー大学やフリンダース大学)、英国(カーディフ大学など)、カナダ(ウエスタンオンタリオ大学)などの先進国との交流が多くありました。しかし、今後は最も近くにいるアジア大洋州の総合診療医を度外視できません。非白色人種で力を合わせて世界の家庭医療の研究と教育を向上しなくてはなりません。現在、インドネシア、ホンコン、シンガポール、ミャンマー、タイ王国、インドそしてオーストラリアやニュージーランドなどのアジア大洋州の家庭医・総合診療医と連携が取られつつあります。インドネシア大学からは、総合診療医が修士課程、そして博士課程の大学院生として当ネットワークの大学院にて総合診療にかかわる研究を行っております。また、インドネシア大学との教員の人事交流も行われております。さらに「海外総合診療医チャレンジコース」の構築で、海外との連携はさらにその数と深さでさらにこの流れが大きくなってきています。

また、三重大学の学生の過半数が発展途上国を含む海外で実習を受け、その多くが海外の地域での医療活動の重要性を認識して帰国おります。しかし、卒業と共に海外で活動する機会が極端に減ってしまう現在、卒業生にこの機会を提供することは、重要なことと思われます。

アジア大洋州を中心とした総合診療医のネットワークがますます実行力のある効果的な力になるよう努力していきます。

当ネットワークの将来

これからもさらに三重県の地方自治体の寄附による地域医療学講座を増やしていこうと思います。特に現在、地域枠の学生の多くが東紀州や志摩地域などの県南部の出身であることから、これらの地域にも寄附講座ができることが望まれます。一方で、数のみならず多くの教員や指導医が大学や各地域の地域医療学講座に配置できるように、さまざまなコースを利用してこれらの人材を育成していきたく思います。同時に、現在、三重県の各地で臨床活動をされている先生方も学生や研修医の指導ができるようにインターネットを使用した教育を提供していきます。そのために、「地域での総合診療指導医養成セミナー」が構築されております。また、地域で総合診療を実施するのに、多職種連携は必須と言えます。現在、その育成のために「多職種協働のチーム医療プログラム」が開発され、さらに先に述べたプライマリ・ケアセンターなど、多職種連携にも取り組んでおります。さらに、卒前医学教育、卒後臨床研修のみならず、大学院教育も積極的に行ってまいります。そして、アジア大洋州の総合診療医が一丸となって、より効果的で実効性のある総合診療を構築したいと思っております。