サブスペシャルティ研修医募集

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小児循環器専門医

当院は日本小児循環器学会認定の修練施設であり、5年間の修練を修了することで小児循環器専門医の申請資格が得られます。三重大学での小児循環器医療に興味をお持ちの方は、是非御連絡下さい。日本小児循環器学会専門医の申請資格は以下の通りです。

  1. 日本国医師免許を有すること
  2. 小児科専門医であること
  3. 受験申込時、5年以上継続して本学会会員であり、会費を完納していること
  4. 卒後8年以上の研修・修練期間を有し、本学会が認定する修練施設または修練施設群で5年間の小児循環器修練を修了していること
  5. 所定の学術研究業績を有すること
  6. 資格認定試験に合格していること

当院の小児循環器診療について

三重県全体をカバーする小児循環器、小児外科疾患の基幹診療センター
180万あまりの三重県の人口を背景に、小児循環器、小児外科診療を核とした当院周産母子センターNICUにおいて、多岐にわたる新生児期複雑心奇形を中心に、低出生体重児例、小児外科疾患合併例などハイリスク例も含め診療しております。
診療内容と特徴
先天性心疾患の心臓手術を年間100例程度、心臓カテーテル検査年間150例、カテーテル治療年間50例前後を施行しております。手術症例の約半数は、NICU出身者で、左心低形成症候群、単心室、完全大血管転位、総肺静脈還流異常など新生児期重症心疾患に対して積極的に外科治療、カテーテル治療を行っております。特に、肺循環障害に対する一酸化窒素吸入療法、窒素吸入療法は全国に先駆けて始めており、遠隔期においても新規肺血管拡張剤の経験は全国的に有数であります。また川崎病後遠隔期の症例が多く、新たな血管内イメージング検査の導入など特徴ある管理を行っています。当院スタッフにより県内の主要施設(県立総合医療センター、松阪地区病院群、山田赤十字病院)で小児循環器外来を行っております。日本小児循環器学会専門医4名が診療と教育にあたっております。
小児循環器診療設備
一般的な心電図や心臓超音波検査、カテーテル検査のほかに放射線診断器機が充実しております。最新型のCTやMRI装置(3Tesla)を用いて、小児循環器疾患の形態診断、質的診断へ応用しております。血管内エコー検査も積極的に行っております。
臨床・基礎研究
臨床研究として、複雑心奇形の肺循環管理における新しい肺血管拡張療法の研究、川崎病の臨床研究、MRI(3Teslaも含む)を用いた臨床研究を行っております。大学の特徴を生かして、先天性心疾患の管理上重要な肺高血圧をメインテーマに、疾患モデルを用いた肺高血圧の病態と治療の基礎研究を行っております。特に最近は、骨髄移植マウス、ノックアウトマウスを用いた肺高血圧マウスモデルの研究を行っております。臨床.基礎研究に関しては、大学院生、研究生、リサーチアソシエイトなど県内外のスタッフで行っております。
学会活動等
日頃の1例1例を大切に考察を深め、確実に症例報告する習慣をつけてもらいます。さらに、発展して研究内容を全国的、国際的な場で発表をして頂きます。研究発表は、日本小児循環器学会、日本循環器学会、AHAなどでの学会発表、主要な英文ジャーナルへの論文発表を行っております。希望に応じて、海外留学の道が開かれております。

研修プログラムの例

ご希望があればプログラムは個別に変更可能です。

小児循環器専門医取得の流れ

1-2年次

  1. 度の高い先天性心疾患における病態を把握し、治療方針を理解し、一般的な治療成績と長期予後、自然歴を提示できる (心室中隔欠損、心房中隔欠損、房室中隔欠損、動脈管開存、ファロー四徴、大血管転位など)。
  2. 度の高い後天性心疾患の病態を把握し、自然歴、治療方針を理解する (川崎病、起立性調節障害、心筋疾患など)。
  3. 児循環器疾患について病歴聴取ができ、心不全症状、チアノーゼ発作などの病態の変化や、家族性の有無などを把握できる。
  4. 生児、乳児、小児、成人の各年齢において、正確に身体所見を取ることができ、心疾患の心血行動態、主要徴候を把握し鑑別ができる。
  5. 体所見から疾患の緊急性を理解し、適切な措置をすみやかに実施できる。
  6. 以下の検査の実施と解釈
    • 血液(CBC)、尿、生化学的検査結果(動脈血ガス分析、心筋傷害指標などを含む)を評価できる
    • 胸部X線写真の読影ができる
    • 12誘導心電図を記録でき、所見を正しく評価し心疾患の鑑別診断ができる
    • 心電図記録から不整脈の診断ができ、治療の必要性と計画を立てることができる
    • 運動負荷試験が施行でき、結果を評価できる
    • ホルター心電図の適応が決定でき、結果を解釈できる
    • 心エコー検査(経胸壁心エコー)による基本的な心疾患の診断ができる。
  7. 以下の治療管理ができる治療、管理
    • 気道確保、心肺蘇生、人工呼吸管理を含む救急救命の方法を実施できる
    • 小児の薬用量、服薬方法などの基本を知り、病態に応じた適切な使用ができる
    • 循環器治療薬の適応、作用機序、薬用量、投与方法、副作用を知り、病態に応じた使用ができる(強心薬、血管拡張薬、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、利尿薬、抗不整脈薬など)
    • 抗凝固療法・抗血小板薬の種類と特徴、副作用を理解し、適切な治療管理ができる
    • 循環器疾患の病態に応じた治療と管理ができる(急性、慢性心不全、無酸素発作、 低酸素血症、不整脈などに対する薬物および非薬物治療を含む)
    • 心血管疾患の基本的な手術の適応、時期、方法を理解し、心臓血管外科医と共同で治療計画を立てることができる
    • 心血管疾患の周術期管理のポイントを理解し、心臓血管外科医と共同で治療計画を立て、治療にあたることができる
    • 学校心臓検診要管理者の適切な管理基準の決定と正確な管理表の記載、管理と生活指導ができる。

3-5年次

  1. 新生児危急心疾患やまれな先天性心疾患における病態を把握し、治療方針を理解し、一般的な治療成績と長期予後、自然歴を提示できる 冠動脈瘻、単心室、左心低形成症候群など。
  2. 頻度の低い後天性心疾患の病態を把握し、自然歴、治療方針を理解する 肺高血圧、心臓腫瘍、二次性心筋疾患など。
  3. 以下の検査の実施と解釈
    • 心臓カテ-テル検査の適応とリスクを理解し、基本的手技を習得し、血行動態、造影所見を評価できる
    • 学校心臓検診要精検者に対する検査計画を立てることができる
    • 心臓電気生理学的検査の適応と基本的手技、およびその判読の方法を理解できる
    • 胎児心エコー法の適応と基本的手技と断面を理解できる
    • 経食道心エコー法の適応と基本的手技と断面を理解できる
    • 心臓MRI、CT、核医学検査の適応と基本的な撮像方法、およびその結果を理解できる
    • 呼気ガス分析による心肺機能検査の基本とその評価を理解できる
    • 心血管疾患の病理学的検査の結果を理解できる。
  4. 以下の治療管理ができる治療、管理
    • ペースメーカーおよび植込み型除細動器の種類、特徴、方法、合併症について理解し管理ができる
    • 心臓カテーテル治療の適応と手技およびリスクが理解できる
    • 補助循環の種類、特徴、方法、合併症について理解できる
    • 心移植の適応と現状が理解できる
    • 妊娠出産時の生理学的変化を理解し、心疾患合併妊娠の適応の理解、妊娠、出産時合併症の予防、管理ができる
    • 未修復疾患における慢性チアノーゼの全身への影響を理解し管理できる
    • 成人期は、修復術後遠隔期の罹病率、生命予後、不整脈、心不全、突然死、再手術、加齢に伴う病態変化、社会心理学的問題などを理解し管理ができる。小児循環器医だけではなく、循環器科医、内科各専門医、心臓血管外科医、産科医などとのチーム医療を行うことができる。
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