血栓止血

検査医学講座和田英夫を中心に診療と研究を行っています。月に2回カンファレンスを開催し、診療科・中央診療部門の医師や検査技師などが集まって、症例検討会や研究について話し合っています。

県内の医療機関や院内の各診療科と連携して、血栓止血疾患の診療ネットワークを構築し、最適な診療を行うことを目指しています。

先天性出血性疾患

血友病、フォンヴィレブランド病、その他の凝固因子欠乏症などの凝固異常や血小板機能異常症などの診断および治療を行っています。
血友病患者約50名ならびに先天性止血異常患者の継続的なフォローを行い、血友病患者の在宅自己注射指導など出血性疾患の患者の包括医療を実践しています。

三重県血友病診療ネットワークの中心機関として定期的に勉強会を行って医療者同士の連携を図り、また患者会のサポートも行っています。

先天性血栓性疾患

当院では厚生労働省から認可を受けた「先天性血液凝固異常症の遺伝子診断」の先進医療を行っています。

当グループで院内各診療科や他病院から紹介を受けた患者の先天性血栓性素因の原因を探索します。
主なものとしては、プロテインS、プロテインC、アンチトロンビンなどの遺伝子変異を同定し、患者の診療に役立てていただいています。

後天性止血凝固異常

播種性血管内凝固(DIC)、血栓性微小血管閉塞(TMA)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP; 免疫性血小板減少)、凝固因子インヒビター(後天性血友病)、ループスアンチコアグラント(抗リン脂質抗体症候群)などの診療やコンサルテーションを受けて、止血管理や血栓症予防や治療を行っています。

研究面では当グループでは以前から患者の凝固線溶マーカーなどの測定や解析をしています。
最近行っている主なものとしては、TTP診断のためのADAMTS13活性、ITP診断のための抗血小板膜抗体、血小板活性化マーカーとしての血漿中可溶性血小板膜糖蛋白GPVI濃度、抗凝固薬の血中濃度などの測定しており、病態と合わせて解析を行い、止血凝固異常の診断やモニタリングのための臨床での利用法を検討しています。