各部門紹介

細菌検査室

細菌検査室では、ヒトに感染症を起こす原因となる病原菌(細菌・カビ)を特定し、その病原体に効く薬(抗菌薬)を見つけるための検査を主に行っています。
検査材料の採り方や、採った材料の保管方法によって検査結果が大きく変わってしまうことがあります。
患者様のご協力をお願いいたします。

微生物検査に用いる材料の取り方

痰(たん)

  • 採る時間
    起床時に採るのが最適とされています。
  • 採る方法
    1. ①口を水道水でブクブクとゆすぎます。
    2. ②深呼吸を5~6回行った後、咳とともに痰をだし、専用容器(病院でお渡しします)に入れます。痰は肺の奥からでてくるものが検査に適しています。(黄色や淡緑色の痰が採れれば、最も良い検査ができます。)
      鼻汁やつば(唾液)は検査に適しません。

    良い痰の例

    膿性の喀痰(P3)

    悪い痰の例

    唾液性の喀痰(M2)
    出典 抗酸菌検査ガイド 2016

  • 保管方法
    容器のふたをしっかりと閉め、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管してください。できるだけ速やかに病院までお持ちください。

便

  • 採る方法
    専用シート(採血室でお渡ししています)の上に排便し、親指の頭くらいの量を採って病院でお渡しした容器に入れます。下痢便の場合は、スポイトなどを利用してください。(専用シートは水に浮き、排便後そのまま水洗トイレに流すことができます。)
  • 保管方法
    容器のふたをしっかりと閉め、ビニール袋に入れて室温で保管してください。室温で保存し、できるだけ採った当日に病院へお持ちください。やむをえず、翌日以降になる場合は、冷蔵庫で保管してください。

微生物検査の内容

塗抹(とまつ)検査

検査材料をガラス(スライドグラス)に塗り、染色し、顕微鏡(1000倍)で観察します。細菌の形や染まり具合と、患者様の病状を合わせて感染症の病原体を迅速に推定することができます。ほとんどすべての細菌・真菌を染め出すことができるグラム染色と、結核菌の仲間(抗酸菌)のみを染め出す蛍光染色を主に行っています。

塗抹(とまつ)検査

培養検査

検査材料を寒天培地(寒天に様々な栄養分や薬剤を加えたもの)に塗り、35℃のふらん器で18時間以上培養します。発育した菌の性質を様々な方法で解析し、その菌名を調べます。特に血液はボトルに入った液状の培地で培養します。結果が判明するまでに3日~7日くらいかかります。結核菌の場合、6~8週間培養を継続します。

薬剤感受性検査

培養検査で感染症の病原体が見つかった場合、どの種類の薬(抗菌薬)が効くかを調べます。

薬剤感受性検査

抗原検査

肺炎の病原菌である肺炎球菌やレジオネラ菌、咽頭炎の病原菌であるA群溶連菌や、胃潰瘍の原因菌であるヘリコバクター ピロリなどがつくる特徴的なタンパク質(抗原)をそれぞれ検出する検査です。病原性大腸菌(O-157)や抗生物質の投与中に起こる下痢の原因となる菌(ディフィシル菌)が産生する毒素もこの方法で検出します。

遺伝子検査

病原体の遺伝子を検出する検査です。微生物検査室では結核菌や、その仲間の菌(アビウム菌、イントラセルラー菌)について行っています。

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